原発不明がんとは
原発不明がんは、原発巣(がんが最初に発生した臓器)が特定できない転移がんです。発見される臓器等やがんの形・性質のタイプ(組織型)が患者ごとに異なるため、症状や経過も人それぞれ、治療戦略も様々です。原発巣が特定されないため、医師にとっても治療方針などが立てづらいがんと言えます。
予想患者数は全がん患者の1%~5%、国内で原発不明がんと診断されている患者は約17,000人程度と言われています。その他、過去の研究報告によると、死亡後の病理解剖でも原発巣が不明とされる患者が20%~50%存在しました。
原発不明がんの症状
原発不明がんの症状は、病変部位(がんが認められる転移先の臓器等)に依存することが多いため、共通する特徴的な症状はありません。症状がまったくなく、健康診断などの画像検査で見つかることもあります。
原発不明がんの症状例として「身体にしこりができる」、「身体の特定の部分に痛みが続く」、「(肺や胸膜への転移)咳が止まらない。声がかれる」、「(腹部への転移)腹が腫れる。便や尿の出方に変化。」など。
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原発不明がんの疾患情報
原発不明がんの治療法とその開発
近年、分子標的薬の開発が進み、患者の遺伝子変異に応じて処方することも可能になってきました。こうした医療技術の進歩を背景に、患者一人ひとりに最適な治療方法を分析し選択する「プレシジョン・メディシン」(精密医療)の推進が世界中で叫ばれています。
がんのゲノム情報を調べ、それに合った個別化治療を実施しよう、というものです。
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原発不明がんとの検査と診断
原発不明がんと疑われた場合、原発巣の探索や治療の決定に重要なのが、組織診断(病理学的検査)と全身検索(病変分布)です。この2つを軸として、個々の原発不明がんがどのような性格か判断していきます。
画像診断でがんが疑われても、実際にがんであるか否かは、組織を採取して顕微鏡で観察しなければ確定できません。また、免疫染色(がんの持つ特定のタンパク質を染め、そのパターンでがん種を判断する手法。後述します)等により原発巣が特定できないか精査します。
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原発不明がんに関するQ&A
Q1.原発不明がんかどうか気になった時、相談できるところはありますか?、Q2.原発不明がんの治療どこでも同じ治療が受けられるようになってきているのか?などの質問に回答いたします。
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