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乳がんとは

乳がんは、乳頭から放射状に張りめぐらされていて、母乳をつくる機能がある乳腺にできるがんです。しこりや痛みなどの自覚症状やマンモグラフィ、超音波(エコー)検査による乳がん検診で発見されることが多いのが特徴です。

乳がんの詳細・症状について ▼

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乳がんとは

乳房には、15~20個の乳腺が放射状に張りめぐらされています。この乳腺にできる悪性腫瘍が乳がんです。乳腺は母乳(乳汁)を分泌するための組織で、乳汁を運ぶ乳管、乳汁を作る小葉に分かれています。

この乳管、小葉などの細胞が異常に増殖した状態が乳がんです。がん細胞が乳管や小葉といった上皮細胞の中にとどまっているものを「非浸潤がん」、がん細胞が乳管や小葉の周囲に広がったものを「浸潤がん」といいます。

年齢別には30代から増え始め、50歳前後から60歳代前半に多いのが特徴です。比較的若い20~30歳代で発症する「若年性乳がん」の人(全体の6~7%)もいます。また、乳がん全体の0.5%と非常に少ないものの、男性も乳がんになるケースがあります。男性乳がんは比較的進行が早い傾向があります。

乳がんの症状

乳がんが見つかるきっかけは主に、マンモグラフィ検診と、しこり、ひきつれや痛みなどの自覚症状による自己発見です。日本乳癌学会の「全国乳がん患者登録調査報告(2011年次症例)」によると、自覚症状があって検診を受けた人も合わせると61.6%が自己発見で見つかっています。自覚症状がないうちにマンモグラフィ検診で見つかった人は28.4%で、検診による発見率も年々増えています。

乳がんの疾患情報

乳がんの検査・検診・診断

マンモグラフィは乳房専用のX線撮影装置で、撮影した画像を見て視触診ではわからないほど小さなものも含めた病変の有無、石灰化などが確認をします。検査でがんの疑いが強いときや、良性か悪性か判断がつかないときには、穿刺吸引細胞診、あるいは、針生検(組織診)といった病理検査でがんなのかどうかを調べます。
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乳がんのステージ

乳がんのステージ病期)は腫瘍の大きさ、リンパ節やほかの臓器への転移の有無によって、0期~Ⅳ期に分類されます。治療法の選択肢は、がんの大きさ、広がり方と形態、病理検査で調べたがんの性質などによって変わります。ステージ(病期)は、自分の病気の状態や予後(治療の見込み)を知り、治療法を決めるうえで重要な指標となります。
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乳がんの手術療法

乳がん治療における標準的な手術法には、乳房を残す乳房温存手術と、乳房を全部切除する乳房切除術があります。手術を受ける前に、乳房再建を受けたいかどうかも考えておく必要があります。手術の目的は、①局所のがんを取り除く②手術で切除した病変を病理検査で詳しく調べ、その結果からがんの性質を確定診断することです。
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乳がんの化学療法

乳がんの化学(薬物)療法には、抗がん剤による治療、ホルモン療法分子標的薬による治療の3種類の方法があります。治療法は、病期、がん細胞の性質、年齢、本人の希望などに応じて決まります。乳がんの多くは全身病で、たとえ腫瘍が小さくても、体のどこかに見えないくらい微小ながん細胞が潜んでいる危険性があり、その微小転移のリスクを消滅させるためにも化学(薬物)療法が重要な役割を果たしています。
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乳がんの化学療法・副作用

吐き気やアレルギー反応、血管痛は24時間以内、骨髄抑制、全身倦怠感、下痢、口内炎は3日~2週間目以降に起こりやすい副作用です。脱毛、血栓症など2週間~1か月以上経って出る副作用もあります。薬物療法で出やすい副作用と症状の強さ、出現時期は、薬によって異なりますし、患者さんによっても個人差があります。
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乳がんの放射線療法

乳房温存手術のあとや乳房切除術でわきの下のリンパ節に転移がある、あるいはしこりが大きい場合には、再発を防ぐための放射線療法が必要です。放射線療法は痛みの治療にも有効です。放射線療法は、細胞の増殖に必要な遺伝子に作用してがん細胞にダメージを与え、死滅させる局所療法です。手術後の放射線療法の目的は、温存した乳房や乳房切除後の胸壁や周辺のリンパ節からの再発を防ぐことです。
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乳房再建

乳房再建とは、手術で失われたり変形したりした乳房を形成外科的な技術で再建する方法です。乳がんの手術を受ける前に、乳房再建についても医師の説明を聞き、検討することが重要です。乳がんの手術と同時に再建する方法もありますし、乳房再建を希望するかどうかで、乳がんの手術法の選択が変わってくる場合があるからです。
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家族性乳がん・遺伝性乳がん

がんのほとんどは、喫煙、食生活、運動不足など生活習慣や環境が原因ですが、乳がんの中には遺伝性のものが5~10%あるといわれます。これまでの研究で、遺伝的に乳がんを発症しやすい人の多くは、細胞ががん化しないように細胞を修復する役割の遺伝子BRCA1、BRCA2のどちらかに異常(変異)があることがわかっています。
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乳がんの再発・転移について

再発とは、乳がんができ始めたころから体のどこかにあった微小ながん細胞が、初期治療でも死滅せずに、あとになって出てきた状態です。肺、肝臓、骨など乳房から離れた部分への遠隔転移の場合には、すでに全身にがん細胞が広がっているので、手術などで取り除くのは難しい状態です。薬による全身療法を行ってがんの進行を抑え、症状を和らげながら、できるだけ長くがんと共存することを目指します。
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疾患情報は認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 乳がんのこと」より抜粋・転記しております。

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