肝臓がんの疾患情報
肝臓がんとは
肝臓がんには、肝臓に発生する原発性肝がんと、ほかのがんが肝臓に転移した転移性肝がんの2種類があります。前者の約9割が肝細胞がんで、一般的に肝臓がんというと原発性肝細胞がんのことを指します。わが国では、年間約3万5000人が新たに肝臓がんと診断を受け、そのほとんどは高齢者で、男女比は3対1と男性が多く、東日本より西日本に多いことが知られています。
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肝臓がんの検査・検診・診断
肝臓がんは、腫瘍マーカーを調べる血液検査や超音波、CT、MRIを用いた画像検査を組み合わせて確定診断を行います。最近では、より早期のがんが正確に診断されるようになっています。主な検査は腫瘍マーカーを調べる血液検査と、超音波やCT、MRIを用いた画像検査です。最近、肝臓がんでは2cm以下のものや一部の特殊ながんを除き、生検はあまり行われなくなりました。
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肝臓がんの種類と分類
肝臓がんは、がんの個数、大きさ、血管を巻き込んでいるかいないか、転移があるかないかということから4つの病期(ステージ)に分類されます。がんの病期は、がんの個数、大きさ、血管や胆管などの脈管を巻き込んでいるかいないか(脈管侵襲の有無)と、リンパ節転移の有無、他臓器への転移の有無により、ステージⅠ、Ⅱ、Ⅲ、ⅣA、ⅣBの4病期、5段階に分類されます。
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肝臓がんの治療=手術療法について=
肝臓がんの治療は、病期と肝臓の障害の程度を考慮して決められます。手術療法(肝切除術)は、肝臓がんの標準治療の1つです。肝臓がんは、肝臓を門脈の支配する区域ごとに分けて切除範囲を決める「系統的肝切除」という考えに基づき、安全に確実に切除されます。
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肝臓がんの治療=ラジオ波焼灼療法=
再発率の高い肝臓がんの有効な治療法として開発された経皮的局所療法には、ラジオ波焼灼療法、エタノール注入療法などの方法があります。その中でも根治性や安定性の面からラジオ波焼灼療法が主流となっています。ラジオ波焼灼療法は、局所麻酔で行われます。
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肝臓がんの治療=肝動脈化学塞栓療法=
肝動脈化学塞栓療法は、がんに栄養を送っている肝動脈に塞栓物質を詰めて血流を止め、がんを兵糧攻めにするとともに、抗がん剤で攻撃する治療法です。手術やラジオ波焼灼療法では治療の難しい進行したがんに行われます。
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肝臓がんの治療=化学療法=
肝臓がんには有効な抗がん剤がなく、全身化学療法は行われてきませんでした。しかし、がん細胞の増殖やがんに栄養を送る血管がつくられるのを抑制して、効果を発揮する分子標的薬が登場し、治療が大きく変わろうとしています。分子標的薬とはがん細胞の特異的な遺伝子やたんぱく質のみにピンポイントで作用し、がん細胞だけを狙い撃ちします。
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肝臓がんの治療=放射線療法=
肝臓がんの放射線療法では、陽子線治療と重粒子線治療が注目されています。放射線の一種である陽子線や重粒子線を利用した治療法で、強いパワーにより集中的にがんを破壊し、周りへの影響や体への負担が少ない治療です。
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肝移植について
肝移植は、肝臓がんの人の肝臓をすべて摘出し、健康な人の肝臓の一部、または脳死した人の肝臓の全部を移植する、再生能力が高い肝臓ならではの治療です。手術の適応(ミラノ基準)や実施できる医療機関は厳しく条件づけられています。移植には、「生体肝移植」と「脳死肝移植」があります。
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