膵臓がんの疾患情報
膵臓がんとは
すい臓がんは、食べ物の消化と血糖値の調節に大きな役割を果たしているすい臓に発生するがんです。消化を助ける膵液が通る管の細胞に発生する膵管がんがほとんどですが、神経内分泌腫瘍(神経内分泌がん)も2~3%発生します。
すい臓は、みぞおちの少し下、胃の後ろ側にあり、洋ナシのような形をした長さ15~18cm、横幅3~5cm、厚さ2~3cm程度の臓器です。
すい臓は、①炭水化物、脂肪やたんぱく質を分解する消化酵素を含む膵液(すいえき)を分泌する(外分泌)、②血糖値を調節するインスリン、グルカゴンなどのホルモンを産出する(内分泌)といった2つの重要な役割を担っています。
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膵臓がんの検査と診断・ステージ
すい臓がんかどうかは、腹部超音波検査、CT、MRI、MRCPなどの画像検査で調べます。確定診断には、ERCP、腹部超音波検査、CTを使って膵液の細胞やすい臓の組織を取り、顕微鏡でみる病理診断が重要です。すい臓がんが疑われるときには、まず、血液検査と腹部超音波検査を行います。
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膵臓がんの治療法
すい臓がんの治療には、手術、薬物療法(化学療法)、化学放射線療法があります。治療法は病期とがんの広がり方、患者さん本人の希望、全身状態、年齢によって決まります。すい臓がんでは、がんがすい臓より外へ広がっていなければ、可能な限り手術を行います。
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膵臓がんの手術療法
手術は最も治療効果の高い治療法です。手術法には、膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除、膵全摘術があり、切除する範囲はがんの位置や広がり方によって決められます。手術が適応になるのは、すい臓周囲の動脈やほかの臓器への転移、腹膜播種(ふくまくはしゅ/お腹の中にがんが種をまいたように広がっている状態)がなく、手術に耐えられる体力がある場合です。がんとすい臓の一部か全部、周囲の臓器を取り除き、完治を目指します。
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膵臓がんの化学療法
ほかの臓器に転移があるために手術ができない人や再発した場合には、抗がん剤を使った薬物療法を行います。転移がない場合でも、手術の後に再発予防の薬物療法を行うのが標準治療です。手術でがんを取りきることが難しい場合、標準的には次の5種類の薬物療法の中から治療法を選びます。
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膵臓がんの化学療法・副作用
抗がん剤の点滴中か24時間以内に現れる吐き気、アレルギー反応、血管痛、3日~2週間後に現れる骨髄抑制、口内炎、下痢、全身倦怠感が要注意です。脱毛、間質性肺炎、涙目など1か月以上経ってから出る副作用もあります。薬物療法の副作用の種類、症状の強さと出現時期は、使う薬によって違いますし、また患者さんによっても個人差があります。副作用に対処する薬の開発などが進み、つらい副作用はかなりコントロールできるようになってきています。副作用を恐れて勝手に薬物療法を中断しないようにしましょう。
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膵臓がんの放射線療法
化学放射線療法は抗がん剤と放射線照射を併用してがんの制御を目指す方法です。手術はできないけれども、がんがすい臓と周囲のリンパ節にとどまっている局所進行がんでは化学放射線療法も選択肢の1つになります。がんがすい臓とその周囲のリンパ節にとどまっているけれども、手術でがんを取り除くことが難しい局所進行すい臓がんでは、化学放射線療法か薬物療法(化学療法)のどちらかを選ぶことになります。
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膵臓がんの痛みや黄疸、栄養障害の改善法
黄疸が出ているときには胆道ドレナージやステント留置術で胆汁の流れをスムーズにします。また、がんで十二指腸が塞がり、食事がとれなくなくなっているときにもステントを使って食物の通過障害を改善します。がんによる痛みや黄疸、食欲不振といった症状を改善、軽減する治療も重要です。
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膵臓がんの再発・転移
治療によって一度はみえなくなったがんがまた出現することを再発、 がんがすい臓周囲のリンパ節やほかの臓器へ広がることを転移といいます。 社会的なサポートも活用しながら治療やケアを受けることが大切です。再発とは、手術で取りきれたようにみえたがんが、目にみえない状態で体のどこかに残っており、再びすい臓やほかの臓器に出現した状態です。転移は、がん細胞がリンパ液や血液の流れに乗ってほかの臓器へ広がり増殖することです。
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