「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」改訂のお知らせ

PD-L1発現率1%未満の未治療進行非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてのオプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学療法、プラチナ系抗がん剤ベースの化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を延長する米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)より

  • [公開日]2018.06.25
  • [最終更新日]2019.02.15
この記事の3つのポイント
・CheckMate227試験とは、未治療進行非小細胞肺がん患者に対して一次治療としてのオプジーボ+ヤーボイ併用療法、オプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法とプラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法の有効性を比較検証した第III相試験である
・本試験の副次評価項目であるPD-L1発現率1%未満の患者における無増悪生存期間PFS)は、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群よりもオプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを26%減少した
・本試験のサブグループ解析の結果、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10mut/Mb以上)かつPD-L1発現率1%未満患者における1年無増悪生存率(PFS)は、オプジーボ+ヤーボイ併用療法群45%、オプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群27%、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群8%であった

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、未治療進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する一次治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法、オプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法の有効性を比較検証した第III相のCheckMate227試験(NCT02477826)の結果がFox Chase Cancer Center・Hossein Borghaei氏らにより公表された。

CheckMate227試験とは、未治療進行非小細胞肺がん患者(N=550人)に対して一次治療としてのオプジーボ+ヤーボイ併用療法を投与する群、オプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法を投与する群、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法を投与する群に1対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間OS)などを比較検証した第III相試験である。

なお、本発表ではオプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法が投与されたPD-L1発現率1%未満の患者群(N=177人)、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法が投与されたPD-L1発現率1%未満の患者群(N=186人)における副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の結果が公表された。

本試験の結果、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群よりもオプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを26%減少した(ハザード比 0.74,95%信頼区間:0.58-0.94)。

また、本試験の腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10mut/Mb以上)かつPD-L1発現率1%未満患者におけるサブグループ解析の結果、1年無増悪生存率(PFS)はオプジーボ+ヤーボイ併用療法群45%(N=38人)、オプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群27%(N=43人)、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群8%(N=48人)であった。

一方、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が低レベル(10mut/Mb未満)かつPD-L1発現率1%未満患者におけるサブグループ解析の結果、1年無増悪生存率(PFS rate)はオプジーボ+ヤーボイ併用療法群18%(N=52人)、オプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群18%(N=54人)、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法群16%(N=59人)であった。

以上のCheckMate227試験の結果よりHossein Borghaei氏らは以下のように結論を述べている。”PD-L1発現率1%未満の未治療進行非小細胞肺がん患者に対する一次治療としてのオプジーボ+プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法は、プラチナ系抗がん剤ベースの化学併用療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を延長しました。また、サブグループ解析の結果より腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベルの患者に対してオプジーボは持続的で有効な結果が得られる可能性が示唆されました。”

Nivolumab (Nivo) + platinum-doublet chemotherapy (Chemo) vs chemo as first-line (1L) treatment (Tx) for advanced non-small cell lung cancer (NSCLC) with <1% tumor PD-L1 expression: Results from CheckMate 227.(ASCO 2018, Abstract No.9001)

×

リサーチのお願い

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン