コラム
オンコロの可知です。
6月2日から6日に第53回米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2017)が開催されます。今年は2,150の演題が採択、さらに2,890本以上の演題がオンライン発表として採択されており、世界中から3万人ものオンコロジストが集まります。
先日、ASCO2017のプラナリーセッション(最も重要な演題が発表されるセッション)の4演題およびメディア向けプレス会見される16演台が公表されました。
http://www.asco.org/about-asco/press-center/news-releases/worlds-largest-clinical-cancer-research-meeting-highlight(英語)
どれも興味深いテーマとなりますが、個人的に注目している演台を紹介します。
【子宮頸がん】米国の若年成人におけるHPVワクチン接種の影響
⇒この結果を受けての日本はどう変わるかが気になるところです。
【緩和医療】がん再発の恐れを軽減するための心理的介入の第2相試験結果、がん性疼痛を軽減するための精神療法的介入を探索する研究結果
⇒精神的軽減に関する研究二つとなります。
【ヘルスケアIT】がん患者のQOLを向上させるためのWebベースのストレス管理の研究結果、化学療法中にオンラインで自己報告における生存に対する影響を評価する、臨床試験結果(プレナリー)
⇒ヘルスケアITががん治療にどのように影響するか?去年は1つのテーマでした(https://oncolo.jp/news/160712k01)。今年はプレナリーとしても選ばれています。
【乳がん】 BRCA変異陽性乳がんの女性に対するPARP阻害剤オラパリブと標準化学療法の第3相試験の結果(プレナリー)
⇒BRCA陽性乳がんに対するPARP阻害薬の初の第3相データとなります。
【悪性中皮腫】再発中皮腫患者に対する、ニボルマブと、ニボルマブ+イピリムマブ療法を比較する第2相試験
⇒中皮腫に対する免疫チェックポイント阻害薬の第2相データです。パフォーマンスが気になりますね。
他にも、プレシジョンメディシンに関する演題が多く見られますね。がん種としては、大腸がん、乳がん、非小細胞肺がん、前立腺がんといったところでしょうか。
この20演題はについて、ASCOよりニュースリリースが発出されますので、オンコロでも掲載していこうとは思っています。
がん情報サイト「オンコロ」責任者 可知健太