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胆道がんの再発転移

  • [公開日]2017.04.01
  • [最終更新日]2019.02.27

目次

再発・転移した場合

治療によって一度は目に見えなくなったがんが、再び出現した状態を再発、胆のうや胆管の周囲のリンパ節や血管、ほかの臓器にがんが広がることを転移といいます。胆のう、胆管は粘膜の壁が薄く、周辺へ転移しやすい傾向があります。再発とは、手術などによって完全に取り除いたはずのがんが、目に見えない形で体のどこかに残っていて、再び出現し明らかになった状態です。

また転移とは、リンパ節や肝臓、腹膜、肺など、別の臓器へがんが広がることをいいます。手術後にがんが再発・転移したときにはすでに手術でがんを取り除くのが難しい状態であることが多いため、主に薬物療法を行います。その際の第一選択は、最初から薬物療法を受ける人と同じように、ゲムシタビンとシスプラチン併用療法です。

ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法でがんがいったん縮小したあと、再度増悪を認めた場合は、S-1に切り替える、ゲムシタビンのみで治療を行う、あるいはゲムシタビンとS-1の併用療法を行うなど、状況に応じて治療を選択します。 胆道がんでは、病変により胆管が狭くなって詰まりやすく、胆汁の流れが滞って黄疸が生じやすくなります。黄疸が出たら、適切に胆道ドレナージによる減黄療法を受けます。

また、胆管の周囲や腹膜にがんが広がると、腹部や背中のあたりに痛みが出たり、腹水がたまったりします。痛みのコントロールは、がんの進行度にかかわらず、できるだけ自分らしい生活を続けるうえで重要です。痛みの感じ方には個人差がありますので、痛みを感じるのはどういうときなのか、ときどきか、一日中か、食事との関係があるのかないのかなど、具体的に伝えましょう。

痛みの軽減には、その段階に応じて、内服薬の解熱鎮痛薬やオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)を使います。医療用麻薬を使ったからといって中毒になったり、がんの治療に悪影響を及ぼしたりする心配はありません。肺転移で息苦しい場合も、医療用麻薬で軽減できます。

再発・転移がはっきりしたときには、初めてがんと告げられたときと同じぐらいのショックを受けるかもしれません。しかし、再発や転移のある患者さんでも、薬物療法を続けながら、通常の日常生活を続けている人も少なくありません。不安や心のつらさ、痛みなどは、我慢したり、一人で抱え込んだりせずに担当医や看護師、ソーシャルワーカーなどに伝えましょう。

再発・転移に対する治療も、担当医とよく相談し、自分らしい生活をできるだけ長く続けられるように、患者さん自身の希望や考えをしっかりと伝えたうえで、納得して治療を受けることが大切です。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2017年4月に出版した「もっと知ってほしい 胆道がんのこと」より抜粋・転記しております。

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