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膀胱がんの再発転移

  • [公開日]2015.01.25
  • [最終更新日]2019.03.22

目次

転移がんの治療

リンパ節やほかの臓器に転移がある場合には、膀胱を全摘しても効果が期待できないため、TURBT後は全身化学療法を行い、できるだけ長くこれまで通りの生活が続けられるようにします。このときの全身化学療法も副作用の少ないとされるGC療法が第一選択です。

膀胱がんが局所再発・遠隔転移した場合

再発とは、治療後再びがんが出現することです。経尿道的膀胱腫瘍切除術を行ったときには膀胱内、膀胱を摘出したときでも腎盂や尿管にがんが発生する場合があります。また転移とは、リンパ節や膀胱から離れた臓器にがんが広がり、そこで成長した状態です。

再発とは、膀胱がんができ始めたころから膀胱の中や体のどこかにあった、目に見えないくらい微小ながん細胞が、初期治療でも死滅せずに後になって出てきた状態です。膀胱がんの再発には、膀胱内にがんが再び出てくる局所再発と、肺、肝臓、骨などの離れた臓器にがんが発生する遠隔転移再発があります。

特に、表在性がんはTURBT後に局所再発を繰り返すことが多いのが特徴です。ただ、局所再発の場合には、再度TURBTを実施し膀胱内BCG注入療法を行ったり、膀胱全摘除術を実施したりすれば、完治が期待できます。膀胱内だけではなく、尿道や腎盂・尿管に再発がみられたときには、手術でがんを取り除き、抗がん剤で目に見えないがん細胞を叩く治療を行います。

肺、リンパ節、肝臓、骨など膀胱から離れた部分への遠隔転移の場合には、すでに全身にがんが広がっているので、手術で取り除くのは難しい状態です。GC療法を中心に全身化学療法を行ってがんの進行を抑え、場合によっては放射線療法も併用しながら、できるだけ長くがんとの共存を目指します。

GC療法が効かなくなった人に対する標準治療はありませんが、カルボプラチン、シスプラチン、ゲムシタビン、パクリタキセル、5FU系などを組み合わせた多剤併用療法か単剤治療が行われ、1つが効かなくなったらほかの薬を検討します。

再発・転移を告知されたときには、初めてがんと告げられたときよりも強いショックを受けるかもしれません。膀胱がんの場合は、再発を繰り返しても元気に生活している人がたくさんいます。

再発治療も担当医とよく相談し、自分らしく生きられるように自分自身の希望をしっかりと伝え、納得して治療を受けることが大切です。不安や心のつらさ、痛みなどは我慢したり一人で抱え込んだりしないで、担当医や周囲の人に伝えるようにしましょう。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2015年1月に出版した「もっと知ってほしい 膀胱がんのこと」より抜粋・転記しております。

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