子宮頸がんとは
子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルスの感染により、子宮の入口付近(頸部)にできるがんです。通常、初期は無症状ですが、進行すると不正出血が現れます。子宮は、中が空洞(子宮腔)の西洋梨のような形をしていて、胎児が宿るやや球形の体部(上方)と腟につながる細長い頸部(下方)からなります。
子宮頸がんは、子宮の入口にあたる外子宮口から頸部に発生するがんです。特に子宮頸部表面を覆う扁平上皮細胞と円柱上皮細胞( 腺細胞) の境界(SCJ)付近に発生し、前者にできる扁平上皮がんと後者にできる腺がんに大別され、扁平上皮がんが約8割を占めます。
子宮頸がんは女性なら誰でもかかる可能性のある病気で、30歳代後半~40歳代に多くみられますが、最近は、若年者で増加しています。女性特有のがんの中では乳がんに次いで第2位で20~30歳代では第1位です。発症原因の多くは、性交渉などにより女性の約8割が一生に一度は感染するヒトパピローマウイルス(HPV)です。このウイルスは珍しいものではなく、通常は免疫系によって自然に排除されます。子宮頸がんの発生と関係が深いとされるハイリスクHPVは約15種類あり、持続感染により、一部が異形成(前がん病変)となり、さらにその一部が5~10年の間に軽度→中等度→高度異形成を経て、がん化するといわれています。
初期にはほとんど症状がなく、進行すると不正出血(性交時、月経時以外)、悪臭を伴った赤色の帯下、下腹部痛や腰痛、下肢のむくみなどが現れます。
本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2015年3月に出版した「もっと知ってほしい子宮頸がんのこと」より抜粋・転記しております。