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肝臓がんの治療=放射線療法=

  • [公開日]2014.03.01
  • [最終更新日]2019.03.01

目次

陽子線治療・重粒子線治療について

 肝臓がんの放射線療法では、陽子線治療と重粒子線治療が注目されています。放射線の一種である陽子線や重粒子線を利用した治療法で、強いパワーにより集中的にがんを破壊し、周りへの影響や体への負担が少ない治療です。

 陽子線治療や重粒子線治療は、放射線の一種である陽子線や重粒子線を利用して、がん細胞を破壊する治療法です。綿密な治療計画により、放出するパワーが狙った場所(がん)で最大限になるように照射することで、周囲の正常な臓器や肝細胞への影響を最小限に止め、がんのみを狙い撃ちすることが可能です。

 陽子線治療は外来治療になり、1日3~8グレイの照射を10~20数回繰り返します。1回の照射は数分で、治療時間は照射の位置合わせの時間を含めて1回20分ほどです。重粒子線は最も強い破壊力を持つ放射線で、そのパワーは陽子線の2~3倍にも上り、少ない治療回数で高い治療効果が得られます。

 3~4日ほど入院して、1回10~25グレイの照射を1日1回、2日間、長くても4日間連続で行います。いずれの治療も照射中は横になっているだけで、痛みや熱さなどを感じることはありません。治療後の主な合併症には皮膚障害や骨折、肺炎などがあります。

 陽子線/重粒子線治療は、肝臓の障害の程度がChild-Pugh分類でAかBで、手術やラジオ波焼灼療法などが行えない肝臓がんに実施することを検討してよい治療法とされています。その対象として年齢やがんの大きさは問われず、とくに門脈や下大静脈にがんができる門脈腫瘍栓や下大静脈腫瘍栓、巨大肝細胞がんなど、治療に難渋するがんに対して行うことが考慮されます。

 重粒子線治療による局所制御(がんが縮小し再発が抑制された状態)率は、がんの大きさや場所によらず、1年目で89~98%、3年目で81~95%と高く、Child-Pugh分類Aで大きさが5cm以上、2日間2回照射の累積生存率は1年目が93%、3年目が66%、5年目が43%と手術療法と遜色のない成績です。先進医療のため、自己負担金が250万~300万円ほど必要で、これらの治療を行う医療機関も限られています。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが2014年3月に作成した「もっと知ってほしい肝臓がんのこと」より抜粋・転記しております。

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