目次
ポイント
本試験は、p-カドヘリン陽性の固形がん患者に対して、PCA062を使用したときの安全性を確認し、推奨用量を決定するための第1相試験となります。
<一般的な説明>
試験概要
この試験は、pCAD(pカドヘリン)陽性腫瘍患者に対してPCA062の推奨用量を決定することを目的とした第1相試験です。また、pCAD陽性トリプルネガティブ乳がん(TNBC),頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)又は食道がん(扁平上皮がん又は腺がん)の患者におけるPCA062の抗腫瘍効果を確認します。
治験薬剤の説明
細胞と細胞をつなぎとめるのに必要なたんぱく質に「カドヘリン (Cadherin)」があります。これらを細胞接着因子とよびます。がん細胞が増殖しながら組織を形成する際にp-カドヘリンが必要とされており、PCA062はこれを阻害します。
主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 18歳以上の方
- pCAD発現腫瘍細胞が確認されている方
- スクリーニング時に腫瘍生検に同意できる方
- 進行性疾患を有し,他に有効な療法がない方
- CTなどにより腫瘍の測定可能な病変をお持ちの方
- パフォーマンスステータスが2以下の方
臨床試験公開情報
JAPIC No : JapicCTI-152921 (最終更新2015/5/26)詳細はコチラ
ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02375958 (最終更新日2016/7/30)詳細はコチラ
pCAD陽性腫瘍成人患者を対象としたPCA062静脈内投与の 第I相,多施設共同,オープンラベル,用量漸増及び拡大試験
対象がん種 | pCAD陽性腫瘍(主にトリプルネガティブ乳がん、頭頸部扁平上皮がん、食道がん) |
フェーズ | P1 |
実施期間 | 2015年4月~2018年6月 |
実施国 | 日本、米国、フランス、イタリア、シンガポール、スペイン |
目標症例 | 75 |
状況 | 募集中 |
手法 | 非ランダム化、オープンラベル |
被験薬名 | PCA062(一般名:—–、 商品名:—–) |
種類 | pカドヘリン阻害薬 |
投与経路 | 静脈注射 |
<専門的な説明>
試験概要
主要目的
* pCAD陽性腫瘍患者におけるPCA062のMTD/RDEを用量漸増パートで決定する。
* PCA062の安全性及び耐容性を特徴づける。
* PCA062の薬物動態プロファイルについて特徴づける。
* PCA062を1回以上静注後の抗PCA062抗体の出現を評価する。
* pCAD陽性トリプルネガティブ乳がん(TNBC),頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)又は食道がん(扁平上皮がん又は腺がん)の患者におけるPCA062の予備的抗腫瘍活性を評価する。(Japic-CTI)
A first-in-human sttudy using PCA062 in patients with p-CAD positive solid tumors. (ClinicalTrials.gov)
治験薬剤の説明
An agent that inhibits p-cadherin, with potential antineoplastic activity. Upon intravenous infusion, PCA062 binds to and inhibits the activity of p-cadherin. Inhibition of the activity of p-cadherin may inhibit both invasion and proliferation of p-cadherin expressing tumor cells. P-cadherin, a cell-surface protein and member of the cadherin family, is overexpressed in a variety of tumors and plays a role in cell adhesion, motility, invasion, and proliferation. (NCI Thesaurus)
注意
・この試験は第1相試験です、第1相試験は、患者さんの安全性を確認しつつ実施する試験であるため、途中解析のための中断を挟む可能性があります。
・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。
臨床試験(治験)とは
・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
・その他、「臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。
初回作成:可知 健太