ポイント:この試験は、未治療の多発性骨髄腫患者に対して、VMP療法という薬剤療法にCD38抗体であるダラツムマブを上乗せしたときの効果を確認する第3相試験です。
目次
<一般的な説明>
試験概要
この治験は、過去に治療を受けたことのない多発性骨髄腫患者に対してダラツムマブとボルテゾミブ(ベルケイド)及びメルファラン(アルケラン)、プレドニゾロン(プレドニン)の併用療法(DVMP療法)と、ベルケイド及びメルファラン―プレドニンの併用療法(VMP療法)をどちらになるか分かる状態で薬剤を投与し、腫瘍が悪化しない期間を比較する試験です。
治験薬剤の説明
ダラツムマブ(Daratumumab)は、多くの多発性骨髄腫細胞の表面に存在するCD38というタンパク質に結合する抗体(抗CD38抗体)となります。CD38に結合することにより、さまざまな経路(メカニズム)を介して腫瘍細胞の細胞死を誘導することができます。
ダラツムマブの難治性多発性骨髄腫のうちボルテゾミブおよびデキサメタゾンの併用療法抵抗性の臨床試験データはコチラ(海外癌情報リファレンス)
主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 18歳以上の方
- 症候性の(症状のある)多発性骨髄腫と診断された方
- 骨髄腫に対して治療をされたことがない方
- ECOGパフォーマンスステータスが0-2の方
- 妊娠の可能性のない方
この試験の対象とならない方
- 過去にアミロイドーシス、単クローングロブリン血症と診断された方、またはくすぶり型骨髄腫の方
- ワルデンシュトレーム病、又はその他のIgM M蛋白が骨中にみられる方等
- 過去に幹細胞移植を受けたことのある方
- グレード2(中等度以上)以上の神経障害性疼痛を有する方
- 臨床的に重要な疾患をお持ちの方
臨床試験公開情報
JAPIC No : JapicCTI-163124(最終更新日2016/1/14)詳細はコチラ
ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02195479 (最終更新日2016/1/19)詳細はコチラ
治験概要
大量化学療法非適応の未治療多発性骨髄腫患者を対象としたボルテゾミブ、メルファラン及びプレドニゾン(VMP療法)とdaratumumab 及びVMP療法の併用(D-VMP療法)を比較する第III相,ランダム化,比較対照,非盲検試験
対象がん種 | 多発性骨髄腫 |
フェーズ | P3 |
実施期間 | 2014年12月~2018年5月 |
実施国 | 日本 |
目標症例 | 700 |
状況 | 募集中 |
手法 | オープンラベル |
一般名:Daratumumab;ダラツムマブ、商品名:DARZALEX | |
種類 | ヒト型モノクローナル抗体(抗CD38抗体) |
投与経路 | 静脈内投与 |
<専門的な説明>
試験概要
This is a randomized (study drug assigned by chance), multicenter (when more than one hospital or medical school team work on a medical research study), open-label (all people know the identity of the intervention), parallel-group, and controlled study in participants with previously untreated multiple myeloma who are ineligible for high dose therapy. The study consists of 3 Phases: Screening Phase, Treatment Phase and Follow-up Phase. Treatment phase will include 2 treatments (treatment A: participants will receive VMP alone and treatment B: participants will receive daratumumab in combination with VMP). The Screening phase will continue until 21 days before randomization, Treatment Phase will continue from Cycle 1 Day 1 to discontinuation of all study treatment, Follow-up Phase will continue until the participant dies, is lost to follow up, withdraws consent, or the study ends, whichever occurs first in treatment Arm A or treatment Arm B. The efficacy will be primarily measured by comparison of progression free survival (PFS) between the two treatment arms. Participants’ safety will be monitored throughout the study.(Clinical trials.gov)
主要な目的は,VMP療法にdaratumumab を追加することによってVMP療法に比べてPFSが延長するかどうか検討することである。 (JAPIC-CTI)
治験薬剤の説明
DARZALEX is the first human anti-CD38 monoclonal antibody (mAb) approved anywhere in the world. CD38 is a surface protein that is expressed by most, if not all, multiple myeloma cells. DARZALEX is believed to induce tumor cell death through multiple immune-mediated mechanisms of action,in addition to apoptosis, in which a series of molecular steps in a cell lead to its death.
(ジョンソン・アンド・ジョンソンHPより:https://www.jnj.com/news/all/DARZALEX-daratumumab-Approved-by-US-FDA-First-Human-Anti-CD38-Monoclonal-Antibody-Available-for-the-Treatment-of-Multiple-Myeloma)
注意
・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。
臨床試験(治験)とは
・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
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初回作成:可知 健太