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12月19日、MSD株式会社は、免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)について、「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する効能・効果を追加する一部変更承認を取得したと発表した。
目次
オプジーボと異なり初回治療から使用可能
キイトルーダは、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者を対象とした国際共同第3相臨床試験(KEYNOTE-024試験)および国際共同第2/3相臨床試験(KEYNOTE-010試験)において、有効性および安全性が示していた。
■Keynote-24関連
非小細胞肺がん 化学療法に比べペムブロリズマブ(キイトルーダ)が初回治療でリスク半減 NEJM(オンコロニュース16/10/14)
■Kenote-010関連
非小細胞肺がん 免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体ペムブロリスマブ(キイトルーダ) 生存期間を延長 Lancet(オンコロニュース16/1/11)
キイトルーダは、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者に対するファーストラインおよびセカンドライン両治療に使用できる免疫チェックポイント阻害薬となります。
コンパニオン診断薬は承認取得済み
キイトルーダのコンパニオン診断薬としてPD-L1の発現状況を検査するため、アジレント・テクノロジー株式会社のPD-L1 IHC 22C3 pharmDx™「ダコ」が2016年11月25日に日本で承認を取得されている。
この診断薬はキイトルーダ®による治療効果が期待されるPD-L1を発現している(TPS≧1%)治療歴のある患者、またPD-L1高発現(TPS≧50%)の未治療患者を特定することを目的としている。
*TPS:Tumor Proportion Score 腫瘍細胞のうちPD-L1発現陽性細胞の割合
MSD社はキイトルーダの薬価収載前の薬剤提供を開始
11月9日、MSDは、2016年9月28日に根治切除不能な悪性黒色腫に対する効能・効果について抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の11月の薬価収載を見送っていた。従来通り11月9日に薬価収載されていた場合、すぐにでも今回の適応にて使用できるはずであったが、それが叶わない。
そういった状況の中、MSDは、治療選択肢が限られているPD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんのうち、ファーストライン治療におけるPD-L1高発現の患者さんの緊急のニーズに応え、薬価基準収載までの期間に限り「キイトルーダ」を無償で提供すると発表。
薬剤提供は、非小細胞肺がんに対する本剤を開発している治験実施施設のうち、「キイトルーダ」の実薬投与経験があり、かつ薬剤提供を希望し、当社が実施する市販直後調査・全例調査や適正使用推進など各種安全対策にご協力することに合意した医療機関にて実施される。なお、準備が整った時点で開始して薬価収載日に終了する予定とのこと。
日本肺癌学会と日本肺がん患者連絡会が共同にて早期承認を要望
10月25日、日本肺癌学会と日本肺がん患者連絡会(全国の肺がん患者会6団体の連絡会)は、連名にて「PD-1強陽性進行非小細胞肺癌に対する抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の一次治療の早期承認の要望書」を塩崎 恭久 厚生労働大臣に提出した。
奇しくも、12/19~12/21は第57回日本肺癌学会学術集会が開催されており、本日が初日である。本学術集会では、患者のためのセッションであるペイシェント・アドボケート・プログラムを実施しおり、150人程度の患者が参加されているとのこと。その中には、日本肺がん患者連絡会の面々もに参加している。
第57回日本肺癌学会学術集会
http://conference.haigan.gr.jp/57/
第57回日本肺癌学会学術集会ペイシェント・アドボケート・プログラム
http://www.cancernet.jp/jlcs2016/
日本肺がん患者連絡会代表の長谷川一男氏は、この報を受け、「初回治療の2割の方に画期的新薬がいち早く届くようになることを嬉しく思う」と語った。
PD-1抗体とPD-L1抗体の違いについて(国立がん研究センター大江医師へのインタビューはコチラ)
記事:可知 健太
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