・切除後の進行性悪性黒色腫患者に対する第3相試験の3年フォローアップ解析
・術後化学療法としてのオプジーボ単剤療法とヤーボイ単剤療法の有効性・安全性を検証
・オプジーボ単剤療法は、ヤーボイに比べて無再発生存期間を統計学的有意に改善
2019年9月27日より10月1日まで、スペイン/バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2019)にて、切除後の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する術後化学療法としての抗PD-1抗体薬ニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)単剤療法、抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相CheckMate 238試験(NCT02388906)の3年フォローアップ解析の結果がPerlmutter Cancer CentreのJeffrey S. Weber氏らにより公表された。
CheckMate 238試験とは、切除後の進行性悪性黒色腫患者に対する術後化学療法として2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を4サイクル投与後、12週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤療法を1年間する群(N=453人)、または4週を1サイクルとしてヤーボイ10mg/kg単剤療法を4サイクル投与後、12週を1サイクルとしてヤーボイ10mg/kg単剤療法を1年間する群(N=453人)に分け、主要評価項目として無再発生存期間(RFS)を比較検証した第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値36ヶ月時点における結果、主要評価項目である無再発生存期間(RFS)はヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で統計学的有意に改善した(HR:0.68, 95%信頼区間:0.56–0.82, P< 0.0001)。また、3年無再発生存率(RFS)はオプジーボ単剤群58%に対してヤーボイ単剤群45%を示した。
サブグループ解析におけるPD-L1発現率別、BRAF遺伝子変異ステータス別の無再発生存期間(RFS)の結果は下記の通りである。PD-L1発現率5%以上の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを43%(HR:0.57, 95%信頼区間:0.39–0.83)、PD-L1発現率5%未満の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを27%(HR:0.73, 95%信頼区間:0.58–0.92)減少した。
BRAF遺伝子変異陽性の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを21%(HR:0.79, 95%信頼区間:0.59–1.06)、BRAF遺伝子変異陰性の群ではヤーボイ単剤療法に比べてオプジーボ単剤療法で再発または死亡(RFS)のリスクを40%(HR:0.60, 95%信頼区間:0.45–0.80)減少した。
以上のCheckMate 238試験の3年フォローアップ解析の結果より、Jeffrey S. Weber氏らは以下のように結論を述べている。”切除後の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する術後化学療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボは、抗CTLA-4抗体薬ヤーボイに比べて無再発生存期間(RFS)を統計学的有意に改善し、その効果はPD-L1発現率、BRAF遺伝子変異ステータスに関わらず確認されました。”
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