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未治療の進行性/転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するキイトルーダ+アリムタ+化学療法、患者報告アウトカムが改善The Lancet Oncologyより

  • [公開日]2020.02.21
  • [最終更新日]2020.03.03
この記事の3つのポイント
・未治療の進行性/転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象とした第3相試験
キイトルーダアリムタ化学療法有効性安全性患者報告アウトカムによって検証
・患者報告に基づいたがん患者のQOL評価方法であるQLQ-C30 GHS/QOLスコアを改善した

2020年2月6日、医学誌『The Lancet Oncology』にて未治療の進行性/転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)+ペメトレキセド(商品名アリムタ;以下アリムタ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-189試験(NCT02578680)における患者報告アウトカム(PRO)が Fondazione IRCCS Istituto Nazionale dei TumoriのMarina C Garassino氏らにより公表された。

KEYNOTE-189試験とは、未治療の進行性/転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者(N=614人)に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg+アリムタ500mg/m2+シスプラチン75mg/m2もしくはカルボプラチン5mg/ml併用療法を4サイクル投与後、3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg+アリムタ500mg/m2併用療法を病勢進行するまで投与する群、または3週を1サイクルとしてプラセボ+アリムタ500mg/m2+シスプラチン75mg/m2もしくはカルボプラチン5mg/ml併用療法を4サイクル投与後、3週を1サイクルとしてプラセボ+アリムタ500mg/m2併用療法を病勢進行するまで投与する群に2対の1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間OS)、無増悪生存期間PFS)、副次効果項目として全奏効率ORR)、奏効期間DOR)などを比較検証した多施設共同二重盲検下プラセボ対照の第3相試験である。

KEYNOTE-189試験では、主要評価である全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目である全奏効率(ORR)において、キイトルーダ併用群で臨床的意義ある改善が示されている。今回は、患者報告アウトカム(PRO)として、患者報告に基づいたがん患者のQOL評価方法であるQLQ-C30 GHS/QOLスコアが検証された。

なお、QLQ-C30 GHS/QOLスコアとは0~100で表され、スコアが高ければGHS/QOLがより良い状態であることを示し、スコアが0であれば健康状態、QOLが非常に良くないことを示している。本試験では、治療開始をベースライン時点として治療開始12週後、21週後のGHS/QOLスコアの変化、ならびに咳、胸痛、呼吸困難等の症状悪化までの期間を検証している。

本試験の結果、治療開始12週時点のGHS/QOLスコアはキイトルーダ群でベースライン時点より+1.0pt(95%信頼区間:-1.3~3.2pt)に対してプラセボ群-2.6pt(95%信頼区間:-5.8~-0.5pt)、両郡間のGHS/QOLスコアの差は3.6pt(95%信頼区間:-0.1~7.2pt,P=0.053)を示した。

治療開始21週時点のGHS/QOLスコアはキイトルーダ群でベースライン時点より+1.3pt(95%信頼区間:-1.2~3.6pt)に対してプラセボ群-4.0pt(95%信頼区間:-7.7~-0.3pt)、両郡間のGHS/QOLスコアの差は5.3pt(95%信頼区間:1.1~9.5pt,P=0.014)を示した。

また、咳、胸痛、呼吸困難等の症状悪化までの期間中央値は、キイトルーダ群で未到達(95%信頼区間:10.2ヶ月~未到達)に対してプラセボ群で7.0ヶ月(95%信頼区間:4.8ヶ月~未到達)、キイトルーダ群で咳、胸痛、呼吸困難等の症状悪化のリスクを19%減少(HR:0.81,95%信頼区間:0.60-1.09,P=0.16)した。

以上のKEYNOTE-189試験における患者報告アウトカム(PRO)の結果よりMarina C Garassino氏らは以下のように結論を述べている。”未治療の進行性/転移性非扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するキイトルーダ+アリムタ+化学療法は、プラセボ療法に比べてQLQ-C30 GHS/QOLスコアを改善しました。”

Patient-reported outcomes following pembrolizumab or placebo plus pemetrexed and platinum in patients with previously untreated, metastatic, non-squamous non-small-cell lung cancer (KEYNOTE-189): a multicentre, double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 3 trial(Lancet Oncol. 2020 Feb 6. pii: S1470-2045(19)30801-0. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30801-0.)

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