・腎細胞がん患者が対象の第3相試験
・術後補助療法としてのキイトルーダ単剤療法の有効性・安全性をプラセボと比較検証
・無病生存期間はキイトルーダ単剤群で統計学的有意に改善し、24ヶ月無病生存率は78.3%を示した
2022年2月16日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて腎細胞がん(RCC)患者に対する術後補助療法としての抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のKEYNOTE-564試験(NCT03142334)の30ヶ月フォローアップ結果がLank Center for Genitourinary OncologyのToni K. Choueiri氏らにより公表された。
KEYNOTE-564試験は、腎細胞がん(RCC)患者(N=994人)に対する術後補助療法として3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤を最大17サイクル投与する群(N=496人)、もしくは3週を1サイクルとしてプラセボを最大17サイクル投与する群(N=498人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として主治医評価の無病生存期間(DFS)、重要な副次評価項目として全生存期間(OS)などを比較検証した多施設共同二重盲検下の第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値30.1ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である主治医評価の無病生存期間(DFS)はプラセボ群に比べてキイトルーダ単剤群で統計学的有意に改善した(HR:0.63、95%信頼区間:0.50-0.80、P<0.0001)。24ヶ月無増悪生存率(DFS)はキイトルーダ単剤群の78.3%に対してプラセボ群で67.3%を示した。
死亡イベントは、キイトルーダ単剤群で23件、プラセボ群で43件の合計66件であった。重要な副次評価項目である全生存期間(OS)はプラセボ群に比べてキイトルーダ単剤群で死亡(OS)のリスクを48%(HR:0.52、95%信頼区間:0.31-0.86、P=0.0048)改善傾向を示すも、事前設定した有意差基準を達成せず、追加のフォローアップが予定されている。24ヶ月全生存率(OS)はキイトルーダ単剤群の96.2%に対してプラセボ群で93.8%を示した。
以上のKEYNOTE-564試験の結果よりToni K. Choueiri氏らは「腎細胞がん(RCC)患者に対する術後補助療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、30ヶ月フォローアップ時点においてもプラセボ群に比べて無病生存期間(DFS)を統計学的有意に改善し、安全性については新たなシグナルは認められませんでした」と結論を述べている。
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