・造血幹細胞移植後の新規多発性骨髄腫患者が対象の第2相試験
・コンソリデーション療法としてのIRd療法、維持療法としてのニンラーロ、レブラミド単剤療法の有効性、安全性を比較検証
・ニンラーロ、レブラミド単剤療法ともに忍容性は良好であり、治療継続可能な治療方法だった
2019年12月7日より10日まで米国フロリダ州オーランドで開催されている第61回米国血液学会(ASH2019)にて、造血幹細胞移植(ASCT)後の新規多発性骨髄腫患者に対するコンソリデーション療法としてのプロテアソーム阻害薬イキサゾミブ(商品名ニンラーロ;以下ニンラーロ)+レナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)+デキサメタゾン併用療法(IRd療法)、維持療法としてのニンラーロ、レブラミド単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(NCT02253316)の結果がWashington University School of MedicineのRavi Vij氏らにより公表された。
本試験は、造血幹細胞移植(ASCT)後の新規多発性骨髄腫患者に対するコンソリデーション療法として28日を1サイクルとして1、8、15日目にニンラーロ4mg+1~21日目にレブラミド15mg+1、8、15日目にデキサメタゾン40mg併用療法後、維持療法として28日を1サイクルとして1、8、15日目にニンラーロ4mg単剤療法を投与する群(N=90人)、または1~21日目にレブラミド10~15mg単剤療法を投与する群(N=94人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)の非劣勢、副次評価項目として微小残存病変(MRD)率を比較検証した第2相試験である。
本試験における安全性の結果は下記の通りである。両群間における血液関連毒性はニンラーロ群で好中球減少症11%、血小板減少症23%に対してレブラミド群で好中球減少症45%、血小板減少症35%を示し、血液関連毒性はニンラーロ群で少なかった。また、最も多くの患者で確認された非血液関連毒性は両群ともに消化器障害、感染症であり、グレード3~4の非血液関連毒性発症率はニンラーロ群16%に対してレブラミド群34%を示した。また、副作用による治療中止率はニンラーロ群11%に対してレブラミド群15%、病勢進行による治療中止率はニンラーロ群30%に対してレブラミド群18%を示した。
以上の第2相試験の結果よりRavi Vij氏らは以下のように結論を述べている。”造血幹細胞移植(ASCT)後の新規多発性骨髄腫患者に対するコンソリデーション療法としてのIRd療法後の維持療法としてのニンラーロ、レブラミド単剤療法は両群ともに忍容性は良好であり、治療継続可能な治療方法でした。なお、本試験の主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は現在解析中になります。”
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