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多発性骨髄腫の新薬6剤の薬価を比較してみました

  • [公開日]2017.05.16
  • [最終更新日]2017.09.23

多発性骨髄腫予後はベルケイド、サレド、レブラミドの登場によりここ10年で延長しておりますが、予後以外にも順調に伸びているものがあります。それは、

薬価

です。特に、ファリーダック、ポマリスト、カイプロリス、エンプリシティと、2015年から2016年にかけて、多発性骨髄腫の新薬ラッシュがありましたので、多発性骨髄腫の治療コストは何十倍にもなっております。

多発性骨髄腫
※体重60kg、体表面積1.69m2の患者さんを基準に計算

上記は、多発性骨髄腫の中でも多くの新薬が適応を持つ再発難治性多発性骨髄腫の新薬の1年間にかかる薬価です。1600万円を超えるポマリストを筆頭に、最も安いファリーダックでも700万円かかります。

しかも、これら薬剤は単剤でなく他の薬剤との併用が基本です。例えば、最近出たばかりのエンプリシティやカイプロリスはレブラミドとデキサメタゾンとの併用が必須となりますので、上記薬価に加えてプラス1000万円の薬価がかかります。

もちろん、レブラミドが処方されている患者さんは通常用量である1日1回25㎎よりも少ない用量を服用されておりますので、1000万円よりももう少し安くはなりますが、それでも多発性骨髄腫の治療には1年間で2000万円はかかります。

多発性骨髄腫の治療目標が「完治」でなく「延命」であり、新薬が出たとはいえ「完治」を目指すことができない現状、年間2000万円の治療コストをかけるかどうか?非常に頭を悩ませます。

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