8月11日、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、切除後の食道がんまたは胃食道接合部(GEJ)がんの術後補助療法としてPD-1免疫チェックポイント阻害薬オプジーボ(一般名ニボルマブ、以下オプジーボ)を投与した第3相CheckMate-577試験の中間解析において、主要評価項目である無病生存期間(DFS)を達成したと発表した。
オプジーボは身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するため、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっている。オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬である。
CheckMate-577試験は術前補助化学放射線療法(CRT)を受け、病理学的に完全奏功が得られなかった外科的完全切除後の食道がん/GEJがんの患者をプラセボまたは2週間毎にオプジーボ240mgを16週間点滴後、4週間ごとにオプジーボ480mgを病勢進行または容認できない毒性が認められるまで投与する群に分け、比較検証した多施設二重盲検ランダム化第3相試験。主要評価項目はDFS、副次評価項目は全生存期間(OS)とした。
同試験の結果、オプジーボ投与群はプラセボ投与群と比較して、すべての割り付けられた患者集団において主要評価項目のDFSを統計学的有意に改善。また、安全性プロファイルはこれまでに報告されたものと一貫しており新たな有害事象の報告はなかった。これにより、同剤は術前補助CRTおよび切除後の食道がん/GEJがんの術後補助療法としての有効性を示した最初の治療法となった。また、同剤の術後補助療法としての有効性が示されたのは、悪性黒色腫に続き2つ目である。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の消化器がん領域担当開発責任者であるIan M. Waxman氏(M.D.)は「オプジーボは、術前補助化学放射線療法および手術を受けた食道がんまたは胃食道接合部がん患者さんに対して管理可能な安全性プロファイルを有し、無病生存期間を改善した初めてで唯一の治療法です。CheckMate-577試験の結果は、医師および患者さんにとって非常に重要なものであり、オプジーボが新たな標準治療として確立される可能性を秘めています。当社は、一日も早く、オプジーボを術後補助療法として高いアンメットニースを抱えるこれらの患者さんにお届けできるよう世界の保健当局に提出してまいります」と述べている。
なお、CheckMate-577試験は副次評価項目であるOSをさらに評価するため継続され、データの全評価が完了後に学会で結果を発表するとともに保健当局と協議していく予定としている。
食道がんとは
世界で7番目に多く、がんによる死因では6番目に多いがん腫。食道がんの一般的な組織型は扁平上皮がんと腺がんであり、扁平上皮がんが約84%、腺がんが約15%を占める。多くは進行気に診断され、飲食など日常生活に影響を与える。
胃がん/胃食道接合部(GEJ)がんとは
世界で5番目に多く、がんによる死因では3番目に多いがん腫。GEJがんの罹患率は胃がんより低いが増加傾向にある。
参照元:
ブリストル・マイヤーズ スクイブ式会社 プレスリリース
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