2021年1月22日、小野薬品工業株式会社とスイス・Helsinnグループは、「悪性腫瘍(非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がん)におけるがん悪液質」を適応として、グレリン様作用薬であるエドルミズ(一般名:アナモレリン塩酸塩、以下エドルミズ)が国内製造販売承認を取得したと発表した。
がん悪液質は、がんに伴う筋肉量の減少をはじめとする体重減少や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常であり、生活の質(QOL)や予後に多大な影響を与えることが判明してきている。一方で、有効な治療手段は確立されていない。
今回の承認は国内の2つの臨床試験の結果に基づくもの。1つは第2相臨床試験(ONO-7643-04)であり、非小細胞肺がんにおけるがん悪液質患者に対し、エドルミズとプラセボを比較した多施設共同試験。もう1つは胃がん、膵がん、大腸がんにおけるがん悪液質患者を対象とした多施設共同非盲検非対照の第3相試験である。両試験の結果で、エドルミズはがん悪液質の患者において体重、筋肉量の増加と食欲の増加効果を示した。
小野薬品の常務執行役員 開発本部長 出光清昭氏は「エドルミズが、がん悪液質の適応で承認されたことを大変嬉しく思います。この承認取得により、これまでに承認された治療法がなかったがん悪液質の患者さんに新しい有望な治療選択肢をお届けできるものと期待しています」と述べている。
エドルミズ(アナモレリン塩酸塩)とは
選択的かつ新規の経口グレリン様作用薬。主に胃から分泌される内在性のペプチドであるグレリンが、受容体に結合することで、体重、筋肉量、食欲、代謝を調節する複数の経路を刺激し、体重や筋肉量の増加、食欲増進効果を示す。
参照元:
小野薬品工業株式会社 プレスリリース
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