・複数治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫患者が対象の臨床試験
・Glofitamab(グロフィタマブ)±ガザイバの有効性・安全性を検証
・客観的奏効率はGlofitamab+ガザイバ併用群で100%、Glofitamab単剤群で81%を示す
2021年12月11日~13日に開催された、第63回米国血液学会(ASH2021)にて複数治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫(RRFL)患者に対する抗CD20/CD3特異性抗体であるGlofitamab単剤療法、Glofitamab+抗CD20抗体であるガザイバ(一般名:オビヌツズマブ、以下ガザイバ)併用療法の有効性、安全性を検証した結果がService des Maladies du SangのFranck Morschhauser氏らにより公表された。
本試験は、複数治療歴のある再発/難治性濾胞性リンパ腫(RRFL)患者に対してGlofitamab単剤療法を実施する群(N=53人)、もしくはGlofitamab+ガザイバ併用療法を実施する群(N=19人)に分け、評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性等を検証した臨床試験である。
本試験が開始された背景として、濾胞性リンパ腫(FL)の進行は緩徐であるが、再発により完治が困難な疾患である。また、再発難治性濾胞性リンパ腫(RRFL)は予後が不良であり、治療選択肢は限られている。抗CD20/CD3特異性抗体であるGlofitamabは複数治療歴のある再発難治性非ホジキンリンパ腫(RRNHL)に対して良好な抗腫瘍効果、管理可能な安全性プロファイルを示している。以上の背景より、本試験が開始された。
本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値は単剤群64歳(33~83歳)、併用群61歳(41~78歳)。前治療歴中央値は単剤群3レジメン(1~12レジメン)、併用群2レジメン(1~5レジメン)。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
本試験の結果、単剤群の客観的奏効率(ORR)は81%(N=43人)、Complete metabolic response rate(CMR)は70%(N=37人)を示した。併用群の客観的奏効率(ORR)は100%(N=19人)、Complete metabolic response rate(CMR)は73.7%(N=14人)を示した。
サブグループ解析別のComplete metabolic response rate(CMR)は下記の通りである。抗CD20抗体、アルキル化剤に難治性を示した患者では単剤群で50%(N=8人)、併用群で43%(N=3人)を示した。治療開始から24ヵ月以内の増悪または死亡(POD24)患者では、単剤群で58%(N=11人)、併用群で70%(N=7人)を示した。PI3K阻害薬に難治性を示した患者では、単剤群で43%(N=3人)、併用群で50%(N=1人)示した。
一方の安全性として、最も多くの患者で確認された有害事象(AE)は、サイトカイン放出症候群(CRS)が単剤群で66%、併用群で79%を示した。神経障害は単剤群で16人、併用群で10人、グレード1は17人、グレード2は9人であった。その他の有害事象(AE)は、単剤群で発熱が28%、インフュージョンリアクションが28%、好中球減少症が26%、併用群で好中球減少症が58%、貧血が37%、血小板減少症が26%を示した。
以上の試験結果より、Franck Morschhauser氏らは「複数治療歴のある再発難治性濾胞性リンパ腫(RRFL)患者に対する抗CD20/CD3特異性抗体Glofitamab単剤療法、Glofitamab+抗CD20抗体ガザイバ併用療法は、高率な奏効を示しました。また、Glofitamabの安全性プロファイルは管理可能な内容でした」と結論を述べている。
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