・ファーストライン治療のプラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した再発子宮頸がん患者が対象の第3相試験
・Cemiplimab(セミプリマブ)単剤療法の有効性・安全性を化学療法と比較検証
・全患者における全生存期間はCemiplimab群で12.0ヶ月と、化学療法(8.5ヶ月)に対して統計学的有意に延長した
2月10日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてファーストライン治療のプラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した再発子宮頸がん患者に対する抗PD-1抗体薬であるCemiplimab(セミプリマブ)の有効性、安全性を比較検証した第3相のEMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9試験(NCT03257267)の結果がUC Irvine Medical Centre in OrangeのKrishnansu Sujata Tewari氏らにより公表された。
EMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9試験とは、ファーストライン治療のプラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した再発子宮頸がん患者(N=608人)に対して3週を1サイクルとしてCemiplimab350mg単剤を投与する群(N=304人)、または主治医選択の化学療法(ペメトレキセド、ビノレルビン、ゲムシタビン、イリノテカン、トポテカン等)を実施する群(N=304人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)などを比較検証した第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である全患者群における全生存期間(OS)中央値は、Cemiplimab単剤群の12.0ヶ月に対して主治医選択の化学療法群で8.5ヶ月と、Cemiplimab単剤群で死亡(OS)のリスクを31%減少(HR:0.69、95%信頼区間:0.56-0.84、P<0.001)した。また、扁平上皮がん、腺がんの患者においても同様の結果が確認された。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、主治医選択の化学療法群に比べてCemiplimab単剤群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを25%減少(HR:0.75、95%信頼区間:0.63-0.89、P<0.001)した。
客観的奏効率(ORR)は、全患者群においてはCemiplimab単剤群の16.4%(95%信頼区間:12.5-21.1%)に対して主治医選択の化学療法群で6.3%(95%信頼区間:3.8-9.6%)を示し、PD-L1陽性(1%以上)のCemiplimab単剤群では18%(95%信頼区間:11-28%)、PD-L1陰性(1%未満)のCemiplimab単剤群では11%(95%信頼区間:4-25%)であった。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、Cemiplimab単剤群の45.0%に対して主治医選択の化学療法群で53.4%を示した。
以上のEMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9試験の結果よりKrishnansu Sujata Tewari氏らは「ファーストライン治療のプラチナ系抗がん剤治療後に病勢進行した再発子宮頸がん患者に対する抗PD-1抗体薬Cemiplimab単剤療法は、主治医選択の化学療法群に比べて全生存期間(OS)を統計学的有意に改善しました」と結論を述べている。
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