・ホルモン受容体陽性の再発/転移性子宮内膜がん患者が対象の第1/2相試験
・mTOR阻害薬であるVistusertib+アナストロゾール併用療法の有効性・安全性をアナストロゾール単剤療法と比較検証
・8週無増悪生存率(PFS)はVistusertib+アナストロゾール併用群67.3%に対してアナストロゾール単剤群39.1%を示した
5月11日、医学誌『JAMA Oncology』にてホルモン受容体陽性の再発/転移性子宮内膜がん患者に対するmTOR阻害薬であるVistusertib(ビスツセルチブ)+アナストロゾール併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のVICTORIA試験(NCT02730923)の結果がCentre Léon BérardのPierre Heudel氏らにより公表された。
VICTORIA試験は、ホルモン受容体陽性の再発/転移性子宮内膜がん患者(N=75人)に対して1日2回Vistusertib 125mgを週に2回+1日1回アナストロゾール1mg併用療法を実施する群(N=49人)、もしくは1日1回アナストロゾール1mg単剤療法を実施する群(N=24人)に2対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として安全性、8週無増悪生存率(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象(AE)発症率を比較検証した第2相試験である。
本試験に登録された75人の患者背景は下記の通りである。年齢中央値は69.5歳(37-88歳)。性別は女性100%。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
主要評価項目である8週無増悪生存率(PFS)はVistusertib+アナストロゾール併用群の67.3%に対してアナストロゾール単剤群で39.1%を示した。副次評価項目である客観的奏効率(ORR)はVistusertib+アナストロゾール併用群の24.5%(95%信頼区間:13.3-38.9%)に対してアナストロゾール単剤群で17.4%(95%信頼区間:5.0-38.8%)を示した。
また、本試験のフォローアップ期間中央値27.7ヶ月時点における結果、無増悪生存期間(PFS)中央値はVistusertib+アナストロゾール併用群の5.2ヶ月(95%信頼区間:3.4-8.9ヶ月)に対してアナストロゾール単剤群で1.9ヶ月(95%信頼区間:1.6-8.9ヶ月)を示した。
Vistusertib関連の有害事象(AE)として最も多くの患者で確認されたグレード2以上の有害事象(AE)は倦怠感、リンパ球減少症、高血糖症、下痢であった。
以上のVICTORIA試験の結果よりPierre Heudel氏らは「ホルモン受容体陽性の再発/転移性子宮内膜がん患者に対するアナストロゾールに対するmTOR阻害薬Vistusertibの上乗せ効果は、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)を改善し、忍容性も良好でした」と結論を述べている。
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