7月27日から29日、神戸国際展示場にて第15回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2017)が開催される。
6月28日、それに先駆けプレスセミナーが開催された。
日本臨床腫瘍学会は、1993年に前身となる日本臨床腫瘍研究会が発足して以来、会員数も増加し続けており、現在9000名以上に達している。そんな日本臨床腫瘍学会が開催する学術集会の参加者は毎年6000名を超えるとのことだ。
15回目となる今年の学術集会のメインテーマは、「最適のがん医療 -いつでも、何処でも、誰にでも- がん対策基本法施行から10年 -将来に向けた、がん医療均てん化の道を探る-」である。
さらに以下のように4つのサブテーマが掲げられた。
「均てん化の検証:がん対策基本法施行から10年が経過した節目をに、がん医療の均てん化がどこまで進んだかを検証し、将来に向けた方策を議論することになる」
「領域横断的体系の継承:医療者に加え、患者や一般市民の連携を重視し、領域横断的な包括的な治療やケアのためのセッションを多く取り入れている」
「グローバル化の更なる推進:グローバルながん医療推進へとつなげるための、多数の海外研究者を招き、最高峰の英知の共有をはかる」
「最新成果の公表と情報共有:最新の成果を公表・情報共有を行い、活発な討議が行われる」
免疫療法、プレシジョンメディシン、AYA世代、緩和・支持療法と多岐にわたるテーマが議論
採択演題は1030題にものぼり、数多く・多岐に渡る演題が発表される予定だ。
そのなかでも、プレナリーセッション(最も重要な演題)には以下の3演題が選ばれた。
・切除不能大腸がんに対するmFOLFOXまたはCapeOX+ベバシズマブとの併用療法とS-1+イリノテカン+ベバシズマブとの併用療法の第3相試験(TRICOLORE試験;UMIN000007834)結果
⇒今回が初公開となる臨床試験結果とのこと。
・全身化学療法治療歴がない切除不能な肝細胞がん患者を対象としたレンバチニブ(レンビマ)の第3相臨床試験の日本人解析結果
⇒ASCO2017で発表された、未治療肝細胞がん対象にソラフェニブ(ネクサバール)にレンビマが非劣性を示した試験の日本人解析結果となる。
・PD-L1高発現の未治療非小細胞肺がんに対するペムブロリズマブ(キイトルーダ)の国際共同ランダム化第3相臨床試験(Keynote-024試験)の日本人集団解析結果
⇒非常に話題となった、PD-L1高発現の未治療非小細胞肺がんに対してキイトルーダの有効性が示された臨床試験結果の日本人解析結果となる。
さらに、9つのセミプレナリーセッションも用意されているとのことである。
また、大会期間中3日間にわたり、ペイシェント・アドボケイト・プログラムとして「いつでも、何処でも、誰にでも最適のがん医療を受けるために」が開催される。
概要・応募はコチラ
第15回日本臨床腫瘍学会学術集会 会長である谷本 光音氏(岡山大学大学院 血液・腫瘍・呼吸器内医科学講座)は、「最適な医療をいつでも、何処でも、誰にでも最適のがん医療を受けるために、『患者中心』に考えられる学術集会としたい」とプレスセミナーを締めくくった。
第15回日本臨床腫瘍学会学術集会のホームページはコチラ
記事:可知 健太