ケモブレインとは抗がん剤治療の間、もしくは治療後に、記憶力、思考力、集中力が一時的に低下する症状のことを指します。ケモブレインの発生機序はまだ解明されていませんが、その原因として考えられるのは、薬剤による神経新生や神経伝達物質の障害、脳血流や脳脊髄液の変化、記憶を司る海馬の機能低下などが示唆されています。主な治療法は行動療法と薬物療法の組み合わせが基本となります。行動療法として脳トレーニングや、認知リハビリテーション、リラクゼーション、エクササイズなどがあります。薬物療法としては中枢神経刺激薬、アルツハイマー病治療薬、神経新生刺激薬や酸化ストレスを減少させる薬剤などが用いられることがあります。
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