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【メルマガコラム】オプジーボとエビデンスの相互性の行方[vol.32]

  • [公開日]2017.03.26
  • [最終更新日]2017.12.14

コラム

オンコロの可知です。
本日、オプジーボが、「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」に対して承認を取得しました。
悪性黒色腫、非小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫腎細胞がんに続き5つ目のがん種となります。胃がんに関する承認申請もされており、すごいスピードで適応拡大が続きます。

さて、今回の承認ですが、小野薬品工業社のプレスリリースを拝見して、この以下の文言に引っかかりました。

「頭頸部がんは頭頸部領域に発生する悪性腫瘍の総称であり、原発部位には口唇、口腔、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭、大唾液腺および粘膜悪性黒色腫があり、国内における年間患者数(甲状腺がんを除く)は約2万4千人と推定されています。」

あれ?扁平上皮がんだけでないんだ・・・

不思議に思い小野薬品工業社の広報に電話して真偽を確かめたところ、確かに扁平上皮がんだけではなく、腺がんも含まれるようです。

ただ、Checkmate-141試験(この承認の根拠となる結果を残した試験)は頭頸部扁平上皮がん対象の試験です。現に同じデータをもとに承認したFDAは(米国)では2016年11月10日に「プラチナ製剤を使用後に進行した転移・再発性の頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)」のみ承認されています。

さて、皆さん。このことをどう思いますか?

唾液腺がん等の腺がんの患者さんには(エビデンスが乏しいけれども)話題のオプジーボを使用できるようになり、希望が見えるかもしれません。

エビデンスが乏しいのになぜに承認したんだと思いますか?

頭頸部がんの腺がんは非常に多岐に渡る組織型があります。よって、1つ1つの組織型に臨床試験を実施する時間と労力は膨大になるかもしれません。

「オチ」はないですが、今日のプレスリリースを見て思ったことを徒然と語ってみました。

再発又は遠隔転移頭頸部がん オプジーボが承認取得 ~腺がん患者にも適応となるが・・・
https://oncolo.jp/news/170324k02

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