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BRAF遺伝子変異甲状腺未分化がんに対する治療レジメンとして初!タフィンラー+メキニスト併用療法が奏効を示すJournal of Clinical Oncologyより

  • [公開日]2017.11.18
  • [最終更新日]2017.11.18

2017年10月26日、医学誌『Journal of Clinical Oncology (JCO)』にてBRAF-V600遺伝子変異のある局所進行または転移性甲状腺未分化がんに対するダブラフェニブ(商品名タフィンラー)+トラメチニブ(商品名メキニスト)併用療法有効性を検証した第II相試験(NCT02034110)の結果が公開された。

本試験は、BRAF-V600遺伝子変異のある局所進行または転移性甲状腺未分化がん患者を含む胆道がん、GIST(消化管間質腫瘍)などの希少がん患者に対して1日2回タフィンラー150mg+1日1回メキニスト2mg併用療法を病勢進行または許容できない毒性発現まで継続投与し、主要評価項目として治験医師の判断に基づいた全奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、そして安全性を検証した多施設共同オープンラベル第II相のバスケット試験である。

なお、バスケット試験とは、疾患またはその部位でなく疾患の原因となる遺伝子変異のある患者を対象に、局所進行または転移性甲状腺未分化がんのようなアンメットメディカルニーズの高い疾患の治療薬の開発を加速化するために実施される試験である。

本試験に登録された転移性甲状腺未分化がん患者(N=16人)の背景は下記の通りである。年齢中央値72歳、女性63%、アジア人63%であった。また、前治療としては手術88%、外照射38%、そして化学療法38%の治療歴のある患者であった。

本試験のフォローアップ期間中央値47週時点における結果、主要評価項目である治験医師の判断に基づいた全奏効率(ORR)は69%(N=11人,95%信頼区間:41-89%)で、現在も7人の患者が奏効継続中である。

また、副次評価項目としての奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)中央値は症例のイベント数未が少ないためにそれぞれ未到達であった。なお、12ヶ月奏効持続率(DOR)、無増悪生存率(PFS)、全生存率(OS)はそれぞれ90%、79%、80%であった。

一方の安全性としては、全てのグレードにおける最も一般的な副作用は94%(N=15人)で確認され、その内訳としては疲労44% (N=7人)、発熱31% (N=5人)、吐き気31% (N=5人)であった。グレード3/4の副作用は50%(N=8人)で確認され、その内訳としては貧血13%(N=2人)であった。

以上の試験の有効性、安全性の結果よりBRAF-V600遺伝子変異のある局所進行または転移性甲状腺未分化がんに対する治療レジメンとしてタフィンラー+メキニスト併用療法は初めて臨床的意義のある有用性を証明した。

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