せん妄とは、時間や場所が急にわからなくなる見当識障害から始まる場合が多く、注意力や思考力が低下して、睡眠障害、幻覚・妄想、見当識障害、情動・気分の障害、神経症状等を引き起こします。がん患者では、手術後に起こる術後せん妄や薬剤によるせん妄が多く見られます。術後せん妄は特に高齢の患者さんや大きな手術を受けた患者さんに高い確率で見られます。また、オピオイドなどの鎮痛薬や睡眠薬もせん妄の引き金になります。さらに、カルシウム、ナトリウムの代謝異常や、脱水によって体内のバランスが崩れてせん妄が起きることもあります。再発や進行がんの患者は治療薬の量が多くなり、せん妄が起こりやすくなります。
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