MCL-1とは様々な細胞において細胞死(アポトーシス)を抑制する働きを持つことが知られているタンパクです。不要な細胞や老化した細胞のアポトーシスは、細胞表面に存在する受容体にさまざまな刺激が引き金となって起こります。このようなアポトーシスを誘導するシステムは、それを促進するタンパクとアポトーシスに抵抗するタンパクの相互作用によって調節されています。アポトーシスに抵抗する抗アポトーシスタンパクとして、BCL-2やBCL-xLなど種々のBCL-2ファミリーというタンパクがあります。MCL-1タンパクはBCL-2ファミリータンパクのひとつで、さまざまがん細胞で発現していることが知られています。近年このMCL-1タンパクを標的とした抗がん剤が開発されてきており、その開発状況が数々報告されています。
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