オンコロの大内です。
来週4月2日は「本庶 佑先生の偉業を称え、感謝を伝える会」が開催されます。普段は東京のオフィスで働いているオンコロスタッフも、全員京都まで行って参ります。
まだ参加申し込みを受け付けていますので、奮ってご参加下さい。
※お申し込みはこちら https://oncolo.jp/event/20190402nobel
今週のコラムは本庶先生にちなんでオプジーボの話をしたいと思います。本庶先生がノーベル賞を受賞されてから、オンコロには次のようなお問合せをたくさん頂くようになりました。
・私のがんでもオプジーボは使えますか。
・保険診療ではオプジーボを使えないと言われました。どうしたら使えますか。どこで使えますか。
現在オプジーボが使えるがんは下記のように定められています。
・悪性黒色腫
・切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
・根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
・再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
・再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌
・がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌
・がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
上記以外の場合は、原則オプジーボは使えません。
「オプジーボを使いたい。どうしたら使えますか?」とお問合せ頂いた患者さんには、次のような情報をお伝えしています。
① オプジーボの治験情報
② キイトルーダの情報
①オプジーボの治験情報
保険承認されていない薬剤等を、承認を目的としてデータを集める過程等を治験といいます。治験に参加すれば、承認されていないオプジーボを使える可能性があります。ただし、治験には参加条件がございますので、誰でも参加出来るわけではありません。
オンコロで現在ご紹介中のオプジーボの治験がいくつかございます。
・非小細胞肺がん対象
https://oncolo.jp/ct/lungcancer01/
https://oncolo.jp/ct/ad0046
・食道がん対象 https://oncolo.jp/ct/ad/ad0016/
・原発不明がん対象 https://oncolo.jp/ct/ad0047
・希少がん対象 https://oncolo.jp/ct/ad0059
治験の参加を希望したからといって、必ず治験に参加出来るわけではございません。また、治験によっては、治験に参加出来た場合でも、オプジーボを使えないことがございます。詳しくはオンコロまでお問合せください。
オンコロで紹介中の上記治験以外には、膵臓がん、肝細胞がん、胆道がん、小児固形がん等を対象とした治験が行われているようです。治験情報をお探しの方がいらっしゃいましたら、オンコロまでご連絡下さい。オンコロスタッフが治験情報をお調べ致します。
②キイトルーダ
オプジーボと同様に免疫チェックポイント阻害薬であるキイトルーダは、昨年12月から
「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」で使えるようになりました。日本ではじめてがんの種類を特定せずに承認されました。(詳細はこちら https://oncolo.jp/news/181221k01-2)
オプジーボではありませんが、キイトルーダであれば使える可能性がございます。
ただし、次の条件を全て満たしている必要があります。
・がん化学療法後に増悪した進行・再発のがんである
・標準的な治療が困難である
・MSI検査にてMSI陽性(MSI-High)である(MSI-Highである確率はがんの種類によって違いますが、かなり低いようです。)
オンコロからお伝え出来る情報はこの2点です。
治験にしても、キイトルーダにしても、高いハードルがございますが、免疫チェックポイント阻害薬を使ってみたい方は選択肢としてご検討ください。
大内 明香
この記事に利益相反はありません。