こんにちは、川上です。
今回は、がん患者の家族として、メルマガを書きます。
現在、82歳の私の父は、1年ほど前に、切除不能のすい臓がんと診断されました。
5月頃まで化学療法(アブラキサン+ジェムザール)をしていましたが、副作用、とくに手足の痺れがひどく、治療を中断し、在宅療養していましたが、先月末に、突然極度の貧血状態となり、救急車で病院に搬送され、今日まで入院していました。
輸血などでいったん症状は落ち着き、低空飛行ながらも安定してきたので、今日、藤沢の自宅に退院することとなり、このメルマガがみなさんに届く頃は、たぶん、家に戻れていると思います。
今回の入院を機に、痛みや吐き気などの症状コントロールが落ち着いたいっぽうで、筋力が著しく低下し、歩くことも(おそらく、自分で立つことも)できなくなってしまい、ケアマネさんの手配で退院前日に介護ベッドを入れてもらったり、身の回りのお世話に必要なグッズなどを母と揃えました。
看護師経験のある私は、父の状態は、低めながらも安定、と自宅への退院は全く問題ないと思っていたのですが、当初は高齢の母の不安が強く(子供達は同居しておらず、一人だけで父を看ないといけないこともあり)、最初は母曰く「とても無理」と思っていたようです。
でも、退院にあたって、主治医はもちろん、病棟看護師さん、医療ソーシャルワーカーさん、退院調整看護師さん、ケアマネさん、訪問看護ステーションの看護師さんが連携し、支援してくださり、自宅退院に向けて動くことができました。
コロナ禍のなか、病院では面会もままならないこともあり、なんとか家に、と思っていたこと、また父も、病棟看護師さんに「家に帰りたい」と伝えていたようで、本当によかったです。
退院当日の夕方には、近所で開業されたばかりの緩和ケア専門のクリニックの医師が、在宅医として往診に来てくださる予定です。
関わってくださった医療者の皆さまには感謝ばかりです。
が・・・、
欲を言えば、また、私が常にそばにいたならば・・もっともっと、できたことがあったのに、と後悔ばかりでもあります。
化学療法の副作用対策のこと、治療のやめどきのこと、栄養のこと、リハのこと、在宅医の手配のこと・・etc.
でも、過去のことはもういい。
とりあえず、父のこれからの1日1日の時間がより良いものになるように、最善を尽くしたいと思います!
まずは、今回退院のため、中3になった息子を留守番にして2泊だけ、帰省しているので、看護師経験からのノウハウを母にみっちり教え込むつもりです。
何せ高齢で、1年も前に渡してある「らくらくスマホ」でまだLINEもできない母。
私が電話しても、スマホの画面をみながら「もしもし、もしもし」と応じ、私の声が届かない母に、スパルタ式は禁忌、と自分に言い聞かせながら、私も頑張ります!
また、コラムで経過をみなさんにご報告するかもしれません。
どうか、その時まで、父と家族の時間が続くよう、祈っていてくださいね。
川上 祥子