2019年1月19日に学生団体 Best Vector主催で行われたイベント”AYA世代のがんについて考える”にオンコロは協賛しました。またオンコロスタッフの鳥井がAYA世代の総論と自身の体験談を話しました。
目次
開催概要
開催日時:2019年1月19日(土)13:00~17:00
開催場所:日本橋ライフサイエンスビル
主催:学生団体 Best Vector
共催:ONE JAPAN
協賛:がん情報サイト「オンコロ」
開催背景
学生にとって以下のような現状があります。
・がんは身近であるものの、自分の身に起こった時のことを真剣に考える機会が少ない
・がん患者(特にAYA世代)が抱える治療以外の様々な悩みを知る機会が少ない
よってがんについて知り、AYA世代のがん患者さんがどうしたら自分らしく生活できるかについて考えることを通じ、がんを自分ごと化できるAYA世代を一人でも増やし、「がん=死」に代表される、がんに対するバイアスをなくす機会として会を開催しました。
イベント内容
まずは、がんがどのような病気であるかの解説を行いました。次に、今回のテーマであるAYA世代でがんに罹患するとどんな問題に直面するかの説明を行い、3名の体験者が登壇し、各々の抱えた悩みや心境をお話ししました。
グループディスカッション
オブサーバーとして参加した社会人と、学生が6人1グループとなりディスカッションを行いました。患者さんの気持ちに出来るだけ寄り添って、どんなことができるのか、また悩みを解決できる方法を議論し合いました。
グループ発表
がん経験者の体験談から、友達や子供にがんについて話すことの難しさを感じたグループから、「がん×アート」、「がん×アニメ」を通じて、がんについて分かりやすく伝えるアイデアが共有されました。がん教育が必須化されても、「教育」の一環として情報を伝達するだけでは理解しづらく、学生や子供に興味、理解の得られやすいアートやアニメとのコラボが提案されました。
また、別のグループから、入院中のがん患者さんには「時間」があること、AYA世代のがん患者さんは同じ病院に同じ状況の患者さんを見つけることが難しく、相談・共感しにくいことを知って、がん患者さんに相談できるサイトを運営することが提案されました。
質問に答えるがん患者さんは空いている時間を活用して社会とのつながりを得るだけではなく、有料にすることができれば、就業できない期間中の収入源にもなりうるということでした。
参加した学生からの感想
・実際にがんを経験したからこそ、感じたことを包み隠さずお話しくださり、とても考えさせられることが多かったです。ディスカッションをして、人に伝えるということに重きをおいて、自分自身も成長できたと思います。がんについての理解も少し深まったので、関わり方等を今後に生かしていきたいと思います。
・「がん」というものが、すごく身近にあって、「がん=死」ではなくて、日常生活で困らない生活をしている人もいることがわかりました。一方で、実際に自分の周りの人や、自分ががんに直面した時、どのような行動をとるか、どのような行動をとるのが望ましいのか、すごく考えさせられました。
・医療についての事前知識はほぼ無かったものの、がんについての勉強になったし、がん経験者の方のお話を伺えたので、貴重な機会だった。
AYA世代当事者としての感想
今回参加された学生の方々は当事者でもなく、身近にがんの患者さんが居ない方がほとんどでした。こうしたワークショップを通じてがんを学び、ディスカッションを通じて能動的に考えるきっかけを作ることは、非常に重要だと感じました。
感想からわかるように、一般に想起されるがんのバイアスを多少は減らすことができたのではないかと思います。
登壇した体験者は20〜30代で、かつ各々発表時間は10分程度だったため、今回の参加者に全てを伝えることが難しくもありました。このような限られた時間の中ではありますが、このイベントが学生にとって、学びの一歩になったなら、会の目的は達成できたと思います。
AYA世代の年間罹患者数は約2万人と数は少ないく、彼らが当事者となることはほとんどない(むしろない方が良い!!!)ですが、がん患者の方と接する機会は今後あると思います。その時に、今回のイベントで得たものを少しでも役立ててくれると嬉しいです。
今回のイベントも一つのがん教育のあり方のように感じます。
鳥井 大吾
当日のプログラム
13:00~13:10
・開催の経緯と各参加団体の紹介
13:10~14:50
・レクチャー AYA世代のがんに対する基礎知識
・がんに対する基本的な疾患知識 製薬会社社員
・AYA世代のがんの体験談とその中で感じた困りごと がん経験者 3名
15:00~16:10
・グループディスカッション がんになっても自分らしく生きるためには?
・大学生、高校生、中学生とがんに関わる仕事をする社会人とがグループ協議
16:10~16:50
・グループ発表
・各グループの大学生から協議結果を発表
16:50~17:00
・Closing