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第3回「OCT サバイバー・スピーキング・セミナー」参加レポート

  • [公開日]2016.03.28
  • [最終更新日]2016.03.28

このセミナーはキャンサーネットジャパンが主催する、キャンサー・サバイバー(=がん患者、経験者とその家族、遺族、ケアをする人、友人、など、‘広くがんに関係のある方’)が自身の声を発信し、人の心・社会を動かす活動を行う際に必要な技術・知識を、講義だけでなく実践を通して学ぶものです。

「皆さんの貴重な体験を伝える事で社会を変えていきましょう!」を目標に、全国から30名を超えるキャンサーサバイバーが集まり技術・知識の習得や情報交換が行われておりました。

今回、オンコロスタッフのHAMAもこのセミナーに聴講者として参加させて頂けることとなりましたので、簡単にではありますが内容や様子をセッションごとにお伝えいたします。

目次

■自己紹介&アイスブレイキング

Pirates of Tokyo Bay 即興パフォーマー 中村絢子さん

グループに分かれたサバイバーの皆さんでゲームをしながらコミュニケーションを実施しました。
最初は少し緊張された様子でしたが、これを機に緊張もほぐれて笑顔になっていきました。

■OCT卒業生からのメッセージ「話すことで何が変わるのか」

コメント:これまでに講習や実際に講演をされている卒業生なだけあって、とても聞きやすいスピーチでした。

スピーチの抜粋

大勢の前で話すことが無かったが、それができるようになった。(鈴木さん)
男性女性、がん種を超えてのふれあい。自分のやりたいことの方向性の明確化。関係者との繋がりが大切であると感じた。(大友さん)
自分と向き合うことが出来て、1歩進むことが出来た。(関口さん)

■医療者から 「日本臨床腫瘍学会の活動と患者さんへの期待」

日本臨床腫瘍学会 理事長 大江裕一郎先生

リーダーを目指すサバイバーの方へお願いしたい事として
・医療者の言語を理解すること
・正しい教科書で学んでほしいこと
・医者も患者もいろいろであることを理解すること

ジョン・F・ケネディーの言葉をメッセージとして
「国があなたに何をするかではなく、人類の為にあなたは何が出来るかを考えよう」

コメント:がん専門医の歴史と努力、医療者と患者の歩み寄りが大切であると感じました。

■医療者から2 「医療者としての患者支援の取り組み、患者に期待すること」

聖路加国際病院 乳腺外科部長 山内英子先生

アンジェリーナ・ジョリーさんは社会の為に公表をした。その行動はすごい事。

1番大切なのは選択肢について知ること。そしてその中から個々に合うものを知識をもって選択すること。

また、医療者からアドボケイトとしてのサバイバーに期待する事として

1、使命を感じる
社会を変える大きな力になる!自分向きでなく外へ向けてください

2、時期を考える
時を焦らない事。「Why me?」から「Because I can!」

3、思いを行動に
変えるべきことを変える!勇気の一歩を踏み出して!

コメント:「1番大切なのは選択肢について知ること」という言葉は響きました。臨床試験が選択肢の一つであるのならば、オンコロは自信を持って患者の為に進んでいくべきであると感じました。

■現役患者リーダーから

山梨まんまくらぶ代表 厚生労働省がん対策推進協議会委員 若尾直子さん

七一体のがん対策
患者市民を中心に行政・立法府(議会)・教育(医療育成・文科省)・医療(学会・医師)・報道(メディア)・企業(製薬会社だけでなく)が一体となって取り組むことが大切ではないか。

これまでの経験から重要な4つの要素として

「ぶれない」「ポイントをしぼる」「何回でも繰り返す」「覚悟を決める」

■メディアから「メディアの取り組みと課題・がん患者に期待すること」

MBS毎日放送 報道記者 橋本佐与子さん

「強いインパクトを正しい情報で」発信することを心がけている。

テレビ等メディアでは、がん=死のイメージであり、エビデンスに基づく正しい情報発信はインパクトが少なく、感情的なものはインパクトある。

① 何を知ってもらいたいのか、何を訴えたいのか
② 上記を肉付けできるもの
③ 第3者の目線で

■「国の取り組み、政策について知ろう」

CNJ理事 柳澤昭浩さん  (がん対策推進官 秋月玲子さん欠席のため)

国の取り組みを知ったうえで情報発信をしてほしい。

■効果的な体験談の組み立て方

OCT事務局 國村三樹さん

目的、テーマ設定
体験談の組み立て方
体験談を書く
体験談を共有する

について解説がありました。

■効果的な体験談の話し方1

CNJ事務局長 川上祥子さん

1、 人対人 「マナー」
事前のやり取りから始まっている
身だしなみ
笑顔・挨拶
時間厳守(集合・公演期間)
感謝

2、 場と目的
伝える「場」の主催者
伝える「場」の聴衆
主催者と聴衆が期待すること
伝える「場」の「目的」は

3、 伝えたいこと伝えるべきこと
誰の為に?
何を?
私の体験は、どう貢献できる?

4、 伝わる方法の工夫
略歴と写真
共感してもらうためには
目線の配り方
スライドの工夫 枚数・写真・要点

■効果的な体験談の話し方2

フリーアナウンサー 小林美幸さん

・1週間~3日前
1、 聴講者のタイプ
2、 話す内容を固めよう
3、 コンディションを整えよう

・前日
1、 本番通りにやってみよう
2、 自身を持とう
3、 夜はゆっくり過ごし睡眠をとろう

・当日
1、 本番の2~3時間前には起床しよう
2、 発声練習しよう

・本番前
1、一度登壇しよう
2、機械、マイク、時計
3、待合室では和やかに

・本番
大丈夫!自信を持って!
ゆっくりゆっくりを心がけて

■ソーシャルメディアを賢く使おう

CNJ理事 柳澤昭浩さん

SNSを使用するにあたり、気を付けるべき点として ①特定のプロダクト・サービスの販売を目的としない② 特定の政党・政治家③ 特定の宗教・宗派④ 同じコメントを繰り返す行為⑤ 他を傷つけるコメント⑥ 著作権に反するコメント⑦ 性的・民族的な発言

組織と個人は切り分けよう
炎上を過度に恐れる事はありません
SNSもリアルなコミュニケーションと同じです

■体験談の発表

代表の方による5分間スピーチを実施しました。

抜粋を記載します。

「自分と同じ環境の人がいない。同じ境遇の人を沢山集めたい。」

「周囲のがんによる後遺症の理解が少なく辛い思いをした。こういう現状を理解してほしい。」

「告知後から生き急いでいた。でも死んだあとのことを考えないでも良いんだなと思った。」

「死を思うことは悪い事ではないと思う。それで良い生き方ができるのだと思う。」

「がんの制度はいろいろあるけどもそれが理解されていない事があると思う。患者はしっかり調べて知っていたほうが良いと思います。」

■発表&総評

割愛します

■修了式&懇親会

セミナー終了後は懇親会が行われました。1時間半という限られた時間でしたが、いたるところで話が盛り上がり新たな出会い、絆が沢山生まれていました。オンコロでも多くの方とご挨拶をさせて頂きました。

■おわりに

コメント:私は以前から、実体験からも体験談の持つ力の凄さを感じております。それは人を救う力であったり、社会を変えていく力であったりします。しかしどんなに力を持つ体験談でも「伝わる」ことがかなわなければとてももったいないと思っています。そういった意味でより「伝わる」方法を教えてくれるこのセミナーはとても素晴らしい取り組みであると感じました。オンコロでもサバイバーの方に体験談を語っていただく「オンコロな人」でも大きな力をもつ皆さんの声を届けていければと思っております。

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