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免疫チェックポイント阻害薬
従来、小細胞肺がんの薬物治療では、がん細胞に直接作用する抗がん剤のみが標準治療で用いられてきましたが、2019年に免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬剤が小細胞肺がんの標準治療に登場しました。
ヒトの体に悪影響を及ぼす異物の排除役を担っている免疫細胞は、免疫が過剰に働いて正常な体の組織まで攻撃することを防ぐため、異物への攻撃停止信号を発するPD-1というタンパク質を持っています。一方、がん細胞の一部は、PD-L1というタンパク質を作り、これがPD-1に結合して免疫細胞の攻撃停止信号を作動させます。このPD-L1とPD-1の結合を免疫チェックポイントと呼びます。免疫チェックポイント阻害薬はこの2つの結合を阻止し、免疫細胞によるがん細胞への攻撃を継続させる薬剤です。 小細胞肺がんでは、進展型でPSが0-1の場合に、カルボプラチン+エトポシド(CE療法)に免疫チェックポイント阻害薬のアテゾリズマブ(テセントリク)を加える3剤併用療法が認められています。
一般的な副作用
自己免疫疾患様の副作用
免疫チェックポイント阻害薬は、免疫細胞の働きを活発化させるため、免疫細胞の攻撃ががん細胞以外の正常細胞に波及し、皮膚、消化器、肺など全身の臓器に起こり得る可能性があります。
■参照
・オンコロBOOKシリーズ「小細胞肺がんと診断されたら知っておきたい治療のはなし」
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