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腎細胞がんの新薬カボザンチニブについて
腎臓にできる主ながんは腎細胞がんと腎盂がんの2種類です。前者は尿細管の細胞ががん化したもので、後者は尿路の細胞ががん化したものです。
カボザンチニブは進行性腎細胞がんの患者さんに対して適応がある薬ですが、これまで進行性腎細胞がんに使用できる代表的な分子標的薬は、血管新生阻害薬であるソラフェニブ、スニチニブと、mTOR(mammalian Target of Rapamycin)阻害薬のエベロリムス、テムシロリムスの4 剤でした。
4剤も分子標的治療薬があるなかでカボザンチニブが期待されている患者さんは、血管新生阻害薬に対して無効を示した患者さんに対してです。
このような患者さんに対しては、これまでmTOR 阻害薬であるエベロリムスが使われていましたが、カボザンチニブの登場によりエベロリムスの役割が消えるかもしれません。
なぜなら、カボザンチニブはエベロリムスよりもその有効性(PFS)が2倍であることが、第三相試験の結果で証明されたからです。
カボザンチニブの薬剤概要
製品名
COMETRIQ
一般名
カボザンチニブ(cabozantinib)
用法用量
カボザンチニブとして60mg/日を経口投与する
効能効果
未定(根治切除不能又は転移性の腎細胞がん)
主な副作用
未定(高血圧、下痢、疲労)
製造承認日
未定
カボザンチニブの作用機序
@Cometriq
カボザンチニブは、MET、VEGFR、AXLなどのチロシンキナーゼの活性を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する
カボザンチニブの最新文献
1)Cabozantinib versus Everolimus in Advanced Renal-Cell Carcinoma
文献の概要
進行性腎細胞がん患者さんに対してカボザンチニブ単剤を投与する群と、エベロリムス単剤と投与する群とに分けて、その有効性(PFS)を検証した試験。その結果、有効性(PFS)はカボザンチニブ群の方がエベロリムス群よりも長いことが判った。
文献の出典
The New England Journal of Medicine
文献の発刊日
2015年11月5日
カボザンチニブの口コミ
医師のコメント
Boom. $EXEL & Takeda enter into exclusive licensing agreement to commercialize and develop cabozantinib in Japan.
— Michael Goodman (@mikegoodma) January 30, 2017
その他医療関係者のコメント
武田がcabozantinibの国内の権利獲得、腎がん、肝がんなどへの開発に期待 https://t.co/0fCxay0uzV #NMonl #日経メディカル
— 日経メディカル (@NMonl) 2017年1月31日
Phase III METEOR trial: cabozantinib vs everolimus for advanced clear cell renal cell carcinoma https://t.co/CQlsAKYct4 pic.twitter.com/0xesG7hXnQ
— Oncology Tube (@oncologytube) 2017年1月21日
Results of a phase 2 study: #Cabozantinib in #hepatocellular #carcinoma. Read it now https://t.co/B5ZhpQ3AZn #oncology
— Annals of Oncology (@Annals_Oncology) 2017年4月3日
カボザンチニブの治験情報
1)A Study of Cabozantinib (XL184) vs Everolimus in Subjects With Metastatic Renal Cell Carcinoma
治験の概要
進行性腎細胞がん患者さんに対してカボザンチニブ単剤を投与する群と、エベロリムス単剤と投与する群とに分けて、その有効性(PFS)を検証した治験
治験の期限
2015年5月
参考資料
1)腎がん診療ガイドライン
2)武田薬品工業株式会社プレスリリース
この記事に利益相反はありません。