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非小細胞肺がんの新薬デュルバルマブとは
オプジーボ(ニボルマブ)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)が2016年に刷新されました肺がん診療ガイドラインの推奨薬剤として掲載されるなど、非小細胞肺がんにおいて抗PD-1/PD-L1抗体薬は確固たる地位を築きつつあります。
今後もし非小細胞肺がんの治療成績を劇的に向上される治療方法が開発されるとしたら、抗PD-1/PD-L1抗体薬に何かしら薬を組み合わせる併用療法以外に考えられないでしょう。
現在のところ抗PD-1/PD-L1抗体薬は、肺がんの中でも約80%を占めるとされる非小細胞肺がんの一次治療、又は二次治療において単剤療法で良好な治療成績が認められています。
非小細胞肺がんの一次治療では、抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤がPD-L1発現率50%以上の患者に対して有効性を証明しております。また、二次治療では、キイトルーダと同じ作用機序の抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤療法、キイトルーダとは違う作用機序である抗PD-L1抗体薬のテセントリク(アテゾリズマブ)単剤療法がPD-L1発現率に関係なく有効であることが証明されております。
以上のように、抗PD-1/PD-L1抗体薬単剤でその有効性が証明されいる場合、他の作用機序を持つ薬剤と併用することでさらに良好な治療成績を出せる可能性があります。抗PD-1/PD-L1抗体薬としては5番目に発売予定の
デュルバルマブ
は他の抗PD-1/PD-L1抗体薬よりも発売が遅れた分を取り戻すため、同じがん免疫療法でありながら抗PD-1/PD-L1抗体薬とは違った作用機序を持つ抗CTLA-4抗体薬であるトレメリムマブとの併用療法での承認を目指しています。
この併用療法に期待されていることは、ただ1つ。それは、EFGR、ALKなどの遺伝子変異、PD-L1発現率など、その患者背景に関係なく非小細胞肺がん患者ならば誰でも有効性のある治療であることです。特に、非小細胞肺がんの一次治療から誰にでも有効性のある抗PD-1/PD-L1抗体薬は現在のところ存在しませんのでデュルバルマブに期待されています。
デュルバルマブの薬剤概要
製品名
未定
一般名
デュルバルマブ(durvalumab)
用法用量
未定(デュルバルマブとして2週間に1回10mg/kgを点滴静注する)
効能効果
未定(進行再発非小細胞肺がん)
主な副作用
未定(疲労、下痢、食欲減退)
製造承認日
未定
デュルバルマブの作用機序
デュルバルマブはPD-1とのPD-L1の相互作用を阻害し、腫瘍の免疫からの逃避機構が働かないようにすることで腫瘍効果を発揮します
デュルバルマブの最新情報
1)Safety and antitumour activity of durvalumab plus tremelimumab in non-small cell lung cancer: a multicentre, phase 1b study
概要
ステージⅣ非小細胞肺がん患者の一次治療として、トレメリムマブ+デュルバルマブ併用療法を投与し、その安全性を検証した試験。
出典
The Lancet
配信日
2016年2月5日
2)A Phase III Study of Durvalumab (MEDI4736) With or Without Tremelimumab for Previously Treated Patients With Advanced NSCLC: Rationale and Protocol Design of the ARCTIC Study
概要
プラチナ製剤ベースの治療を含む少なくとも2つ以上の治療を受けたステージⅢbもしくはⅣのEGFR遺伝子変異陰性かつALK遺伝子転座陰性非小細胞肺がん患者に対してデュルバルマブ単剤療法、又はデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法、又は標準化学療法を投与し、PFS(無増悪生存期間)、OS(全生存期間)を検証した試験
出典
Clinical-Lung-Cancer
配信日
2016年3月
デュルバルマブの口コミ
医師のコメント
#WCLC2016 Dr Garassino on durvalumab in L3+ NSCLC ph 2 #LCSM pic.twitter.com/pb5E5tEZWk
— soria (@jsoriamd) 2016年12月7日
#ENA2016 Dr Yap @royalmarsden @MDAndersonNews @EORTC @theNCI on AZD6738 ATRi w Durvalumab pic.twitter.com/lseMj5JLg9
— soria (@jsoriamd) 2016年11月30日
その他医療関係者のコメント
免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる種類の薬は、免疫を利用してがんを治療します。この種類にあたるデュルバルマブ、トレメリムマブという2種類の薬を併用したときの安全性が検討されました。https://t.co/XvN6P5tfTP
— MEDLEY-オンライン医療事典 (@medley_life) 2016年3月9日
Durvalumab and tremelimumab can, indeed, be safely combined with full doses of platinum-doublet chemotherapy. #lcsm https://t.co/iYhx2fi3gb
— OncLive.com (@OncLive) 2016年12月18日
The presence of PD-L1–positive and CD8+ cells may predict responses in patients with NSCLC treated with durvalumab. https://t.co/lZnajhM2cB
— OncLive.com (@OncLive) 2016年11月18日
デュルバルマブの治験情報
1)Study of 1st Line Therapy Study of MEDI4736 With Tremelimumab Versus SoC in Non Small-Cell Lung Cancer (NSCLC) (NEPTUNE)
概要
ステージⅣのEGFR遺伝子変異陰性かつALK遺伝子転座陰性非小細胞肺がん患者の一次治療として、デュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法、またはパクリタキセル+カルボプラチン併用療法、又はゲムシタビン+シスプラチン併用療法などの標準治療を投与し、OS(全生存期間)を検証する治験
期限
2018年10月
2)Double Blind Placebo Controlled Controlled Study of Adjuvant MEDI4736 In Completely Resected NSCLC
概要
非小細胞肺がん患者の術後療法としてデュルバルマブ単剤療法、又はプラセボ単剤療法を投与しそのDFS(無病生存期間)を検証する治験
治験の期限
2025年1月
参照
1)アストラゼネカ株式会社プレスリリース
2)肺がん診療ガイドライン2016年版
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この記事に利益相反はありません。