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未治療去勢抵抗性前立腺がん 第2世代抗アンドロゲン剤ARN-509の第3相臨床試験

  • [公開日]2016.03.15
  • [最終更新日]2016.03.15

目次

ポイント

本試験は、遠隔転移のない未治療高リスク去勢抵抗性前立腺がん患者を対象とした第2世代抗アンドロゲン製剤ARN-509の効果を評価する第3相臨床試験です。

<一般的な説明>

試験概要

未治療去勢抵抗性前立腺がん患者のうち、高リスク(PSA倍加時間10か月以内)且つ遠隔転移のない方を対象として、第2世代抗アンドロゲン製剤ARN-509の効果をプラセボ(偽薬)を対象として有効性安全性を評価する第3相臨床試験です。

治験薬剤の説明

アンドロゲンは男性ホルモン(テストステロン、デビドロエビアンドロステロン等)の総称であり、筋肉や骨筋肉や骨の形成を促したり、精子の産生や男性機能に深く関係する重要なホルモンですが、前立腺がんも同様に男性ホルモンの影響を強く受けています。
アンドロゲンは、95%が精巣(睾丸)で、5%が副腎で作られています。これらの臓器から作られたアンドロゲンがアンドロゲン受容体の結合するとがん化するということがわかっていますが、これをブロックするのがARN-509(JNJ-56021927)です。ARN-509は、精巣だけでなく副腎で作られたアンドロゲンの働きも同時に抑えることが期待できる薬剤です。抗アンドロゲン製剤と呼ばれています。

主な参加条件等

この試験の対象となりうる方

  1. 18歳以上の方
  2. 組織診又は細胞診で前立腺癌と確定診断された方(神経内分泌がん及び小細胞がんを除く)
  3. 転移のリスクが高い方⇒ADT(アンドロゲン遮断療法)継続中に測定された少なくとも3つのPSA値において、PSA倍加時間(PSA値が2倍量になるまでの時間)が10カ月以下である方
  4. ADT(アンドロゲン遮断療法)を継続的に実施中又は1週間以上の間隔で3つのPSA値の上昇をみとめ,かつ直近のPSA値が2ng/mLを超えている去勢抵抗性前立腺がんの方
  5. ECOGパフォーマンスステータスが0-1の方

この試験の対象とならない方

  1. 遠隔転移が確認された方
  2. 医学的介入が必要な症候性局所領域症状をお持ちの方
  3. 第二世代の抗アンドロゲン剤(エンザルタミド等)による治療歴がある方
  4. CYP17阻害剤による治療歴がある場合(アビラテロン等)による治療歴がある方
  5. 放射性医薬品(ストロンチウム-89等),免疫療法(シプロイセル-T 等),又はその他の NM-CRPC に対する試験的治療による治療歴がある方
  6. 前立腺がんの化学療法ドセタキセル、カバジタキセル等)による治療歴がある方(アジュバント / ネオアジュバント療法を除く)
  7. 痙攣発作の既往を有するか,又は痙攣発作を起こしやすくする可能性のある方
  8. 5年以内の悪性腫瘍の既往
  9. 6カ月以内に発現した重度/不安定狭心症、心筋梗塞、症候性うっ血性心不全,肺塞栓症、一過性脳虚血発作を含む脳血管障害及び臨床的意義のある心室性不整脈/コントロール不良な高血圧、吸収に影響を与える胃腸疾患、活動性感染症など

臨床試験公開情報

JapicCTI-No. : JapicCTI-163123(最終更新日2016/1/6)詳細はコチラ
ClinicalTrials.gov Identifier : NCT01946204 (最終更新日2016/3/7)詳細はコチラ

治験概要

非転移性(M0)去勢抵抗性前立腺癌男性患者を対象とした,ARN-509 の多施設,ランダム化,二重盲検,プラセボ対照,第3相試験

対象がん種 前立腺がん(去勢抵抗性前立腺がんCRPC)
フェーズ P3
実施期間 2015年3月1日 ~ 2016年12月31日
実施国 日本、米国、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、イスラエル、ベルギー、カナダ、韓国、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スペイン、スウェーデン、台湾、英国
目標症例 1200
状況 募集中
手法 ランダム化、二重盲検
開発コード:ARN-509 (JNJ-56021927)、商品名:-
種類 ホルモン製剤(第二世代抗アンドロゲン剤)
投与経路 経口投与

<専門的な説明>

試験概要

試験の目的は,高リスクNM-CRPC 患者に対するARN-509による治療の有効性及び安全性を評価すること

治験薬剤の説明

androgen receptor antagonist ARN-509
A small molecule and androgen receptor (AR) antagonist with potential antineoplastic activity. ARN-509 binds to AR in target tissues thereby preventing androgen-induced receptor activation and facilitating the formation of inactive complexes that cannot be translocated to the nucleus. This prevents binding to and transcription of AR-responsive genes. This ultimately inhibits the expression of genes that regulate prostate cancer cell proliferation and may lead to an inhibition of cell growth in AR-expressing tumor cells. NCI Drug Dictionary

注意

・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。 ・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。

臨床試験(治験)とは

・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「もっと知ってほしい薬の開発と臨床試験のこと」をご参照ください。
・その他、「臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。

初回作成:可知 健太

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