抗がん剤とは、がんの増殖を抑えることを目的とした薬剤をいいます。がんの三大治療である手術、放射線療法、化学療法のうち化学療法に入ります。がんが他の臓器に浸潤、転移する進行がんでは抗がん剤単独で治療されることがありますが、局所がんでは手術や放射線療法と併用して使われるのが一般的です。従来の殺細胞性抗がん剤はがん細胞のDNA等の複製、代謝を阻害してがん細胞の分裂を阻害しますが、活発に分裂している正常細胞にも作用してしまうため、血球減少、下痢、脱毛等の副作用が高率に発現することが問題になります。最近はがん細胞に過剰に発現したり、特異的に発現する遺伝子やタンパク質を狙い撃ちして効果を高めたり、副作用の軽減をはかった分子標的治療薬が開発されてきています。また、一部の乳がんや前立腺がんはホルモンに依存して増殖していることがわかっており、この現象を利用したホルモン療法薬もあります。
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