振戦とは筋肉の収縮や弛緩が繰り返されたときに起こる、意思とは関係なく生じる細かいふるえのことをいいます。健康な人でもふつうに生理的な振戦は見られますが、病的な振戦はその振動の現れかたにより、安静時振戦、動作時振戦、姿勢時振戦、企図振戦などに分けられます。
安静時振戦は筋肉を動かす意思が全くない状態でみられるふるえで、パーキンソン病が代表的な病気です。
動作時振戦は運動を行うときに現れますが、動作をやめるとふるえも収まります。姿勢時振戦はある姿勢を保つときにふるえが現れるもので、原因が分からない本態性振戦が代表的な病期です。
企図振戦は動作を起こすときに症状があらわれます。振戦の主な原因として、小脳の腫瘍、脊髄小脳変性症、小脳の血管障害(小脳梗塞、小脳出血)などが考えられます。
他には、甲状腺ホルモンの産生が過剰となる甲状腺機能亢進症、アルコールの中止による禁断症状、特定の薬剤の使用や中止、毒物の服用、ほかに疲労やストレスおよび不安などが考えられます。
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