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バベンチオ(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))、転移性メルケル細胞がんを対象とした JAVELIN Merkel 200試験から得られた2年間のデータにおいて持続的奏効を示す

  • [公開日]2018.06.27
  • [最終更新日]2019.03.15

米国・シカゴ発、2018年6月4日-独メルク(以下、メルク)と米ファイザー(以下、ファイザー)は、米国・シカゴで開催した第54回米国臨床腫瘍学会(ASCO)の口演において、6月4日(月)に、転移性メルケル細胞がん(以下、「転移性メルケル細胞がん」を「mMCC」と略記)に対するバベンチオ®(一般名:アベルマブ(遺伝子組換え))の多施設共同第II相非盲検試験「JAVELIN Merkel 200」の最新の有効性および安全性データを報告すると発表した。

※本試験から得られた2年間の追跡データから、バベンチオを被験薬として投与し効果が認められた患者さんにおけるこれまでの解析と比較して、臨床的に意義のある持続的奏効、安定した無増悪生存期間PFS)、および全生存期間OS)が示された。

目次

有用性を示す大きな前進

腫瘍組織中のPD-L1発現レベルまたはメルケル細胞ポリオーマウイルス感染の有無にかかわらず、すべての患者サブグループにわたって臨床効果が確認された。
本試験におけるバベンチオの安全性プロファイルは、長期追跡試験と変わらず、JAVELIN臨床開発プログラム全体で認められたものと一貫していた。

メルクのバイオファーマ・ビジネス研究開発部門のグローバル責任者であるLuciano Rossetti(M.D.)は、次のように述べている。
「今回発表する有効性および安全性に関する結果は、FDA承認の根拠となったデータを裏付けるものです。
ASCOで発表する他のデータに加え、この2年の解析は、私たちがメルケル細胞がん患者さんにおけるバベンチオの有用性を理解する上で、大きな前進となるものです。」

臨床試験の概要

多施設共同第II相非盲検試験「JAVELIN Merkel 200」では、遠隔転移を有し、化学療法での治療中または治療後に病勢進行が認められ、組織学的にmMCCと確認された患者さんに対して、バベンチオ10mg/kgを2週間に1回、病勢進行が認められるか、忍容できない毒性が生じるまで静脈投与された。

患者さん88名を対象として、中央値29.2カ月(範囲:24.8~38.1カ月)の期間にわたり追跡調査を行い、確認された奏効率ORR)は33%(95%信頼区間[CI]:23.3–43.8、完全奏効11.4%)で、1年目および18カ月目に報告された以前の解析と一貫していた。

被験薬として投与し効果の認められた29症例中19例において奏効が持続しており、うち12例は奏効期間が2年を超えた。
持続的奏効は、PFSの安定につながった(12カ月の時点で29%、18カ月の時点で29%、24カ月の時点で26%)。

OSの中央値は12.6カ月(95%CI:7.5–17.1)、2年生存率は36%(12カ月では50%、18カ月では39%)であった。

最低2年間の追跡期間中、バベンチオの安全性が懸念される未知の副作用は認められず、これまでの報告と一貫していた。

67症例(76.1%)で薬剤関連有害事象が発生し、うち10例(11.4%)がグレード3以下、また、20例(22.7%)が免疫関連有害事象だった。

治療に関連する死亡は報告されていない 1。

治療選択肢での高い信頼度

ファイザーのグローバル製品開発部門の腫瘍免疫、早期開発およびトランスレーショナル・オンコロジー領域担当シニア・ヴァイス・プレジデントのChris Boshoff(M.D.、PhD.)は、次のように述べている。

「これまでmMCC患者さんには化学療法の他に治療選択肢がなく、今回の結果はmMCC患者さんにとって重要なマイルストーンとなるものです。
今回の発表データと、同じくASCOで発表される追加的なリアルワールドデータにより、この希少で悪性度の高い皮膚がんに対する治療選択肢としてのバベンチオに対する信頼度が高まります。」

メルクとファイザーが共同で実施しているバベンチオの臨床開発プログラムJAVELINには、7つの第III相試験を含む30以上の臨床プログラムがあり、約8,300名の患者さんが15を超える異なるがん種での評価に参加している。

ベンパチオ®について

バベンチオ®(一般名:アベルマブ)※は2017年、米国食品医薬品局(FDA)から成人および小児(12歳以上)のmMCCの適応症で迅速承認を取得し、さらに、白金製剤を含む化学療法後に病勢進行が認められたか、または白金製剤を含む化学療法を使用した術前または術後の補助療法から 12カ月以内に病勢進行が認められた局所進行・転移尿路上皮がんの治療薬として追加承認を得た。
これらの適応は、奏効率と奏効期間の結果に基づく優先審査のもとで承認された。
これらの適応での承認取得は条件付きであり、検証的試験において臨床的ベネフィットの検証が必要である。

※注)日本においては、「根治切除不能なメルケル細胞癌」の適応症で2017年9月に製造販売承認を取得し、11月22日に発売されている。

<出典>
1. Nghiem P. Two-year efficacy and safety update from JAVELIN Merkel 200 part A: a phase 2 study of avelumab in metastatic Merkel cell carcinoma progressed on chemotherapy. Abstract 9507. To be presented at ASCO 2018, June 1-4, 2018. Chicago, IL.

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