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BRAF遺伝子変異進行性悪性黒色腫に対する術後療法としてのタフィンラー+メキニスト併用療法は再発リスクを低下させるThe New England Journal of Medicine

  • [公開日]2017.11.15
  • [最終更新日]2018.01.31

2017年11月9日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてBRAF-V600遺伝子変異のある進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する術後療法としてのダブラフェニブ(商品名タフィンラー)+トラメチニブ(商品名メキニスト)併用療法有効性を検証した第III相のCOMBI-AD試験(NCT01682083)の結果が公開された。

COMBI-AD試験とは、BRAF-V600EまたはBRAF-V600K遺伝子変異のある完全切除後のステージ3悪性黒色腫(メラノーマ)患者(N=870人)に対して術後療法として1日2回タフィンラー150mg+1日1回メキニスト2mg併用を投与する群(N=438人)、またはプラセボ療法を投与する群(N=432人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無再発生存期間(RFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、無遠隔転移生存期間(DMFS)、無再発期間(FFR)、そして安全性を検証した第III相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値2.8年時点における結果、主要評価項目である3年無再発生存期間(RFS)はタフィンラー+メキニスト併用療法群58%に対してプラセボ療法群39%(ハザード比:0.47,95%信頼区間0.39-0.58,P<0.001)であった。また、副次評価項目である3年全生存期間(OS)はタフィンラー+メキニスト併用療法群86%に対してプラセボ療法群77%(ハザード比:0.57,95%信頼区間0.42-0.79,P=0.0006)であった。ただし、この結果は中間解析により事前に想定されていたP=0.000019の基準値を上回る改善を示していない。無遠隔転移生存期間(DMFS)、無再発期間(FFR)においても、プラセボ療法群よりもタフィンラー+メキニスト併用療法群で良好な結果を示していた。

一方の安全性としては、転移性悪性黒色腫(メラノーマ)に対するタフィンラー+メキニスト併用療法で確認された副作用と変わりはなく、少なくとも1種類の副作用を発症した患者はタフィンラー+メキニスト併用療法群97%(N=422)に対してプラセボ療法群88%(N=380人)であった。タフィンラー+メキニスト併用療法群における最も一般的な副作用(10%以上の発症率)は発熱63%(グレード3/4は4%)、疲労47%(グレード3/4は4%)、吐気40%(グレード3/4は1%未満)であった。また、重大な副作用としてはタフィンラー+メキニスト併用療法群36%(N=155人)に対してプラセボ療法群10%(N=44人)であった。タフィンラー+メキニスト併用療法群における重大な副作用としては1人の患者で肺炎が確認されている。

以上の試験の結果より、BRAF-V600EまたはBRAF-V600K遺伝子変異のあるステージ3悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する術後療法としてのタフィンラー+メキニスト併用療法はプラセボ療法よりも再発リスクを低下させ、安全性にも問題のない治療方法であることが証明された。

Adjuvant Dabrafenib plus Trametinib in Stage III BRAF-Mutated Melanoma(NEJM, Published Online: September 10, 2017)

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