2018年1月、医学誌『Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention』にて夜間勤務をする女性のがん発症リスクについて検証したメタアナリシス試験の結果がWest China Hospita・Xia Yuan氏らにより公表された。
本試験は、61本の論文に記載されたアジア、北米、欧州、そしてオーストラリア人女性3,909,152人を対象にメタアナリシスを実施し、がんを発症した114,628人の女性と夜間勤務の間に関係性があるかどうかを検証した試験である。
本試験の結果、夜間勤務をしていた女性はそうでない女性に比べて乳がん発症のオッズ比は1.316(95%信頼区間:1.196-1.448)、消化器系がん発症のオッズ比は1.177(95%信頼区間:1.065-1.301)、皮膚がん発症のオッズ比は1.408(95%信頼区間:1.024-1.934)であり、夜間勤務をしていた女性はがんを発症する可能性が高いことを示した。そして、夜間勤務をする期間が5年延長する毎にがん発症のリスクは3.3%増加(オッズ比:1.033,95%信頼区間:1.012-1.056)することを示した。
また、本試験では夜間勤務の代表的な仕事である看護師を対象にしたサブグループ解析を実施している。その結果、長時間の夜間勤務をしていた看護師は乳がん発症のオッズ比は1.577(95%信頼区間:1.235-2.014)、消化器系がん発症のオッズ比は1.350(95%信頼区間:1.030-1.770)、肺がん発症のオッズ比は1.280(95%信頼区間:1.070-1.531)であり、夜間勤務をしていた看護師はがんを発症する可能性が高いことを示した。
本試験の結果より、夜間勤務をしている女性はそうでない女性に比べてがんを発症する可能性が高いことが示唆された。また、夜間勤務をする期間が長ければ長いほど、がんを発症する可能性が高いことも示唆された。本試験で得られた知見は夜間勤務をしている女性のがん発症のリスクを低減させる施策を講じる手助けになるだろうと、Xia Yuan氏らは結論づけている。
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