・本試験は、胃がんまたはトリプルネガティブ乳がんを含む複数治療歴のある再発難治性固形がん患者に対してICOSアゴニスト抗体薬であるJTX-2011±オプジーボの安全性、有効性を検証した第I/II相試験である
・本試験の結果、JTX-2011単剤療法では胃がん患者7人の内1人が部分奏効(PR)、トリプルネガティブ乳がん患者5人の内2人が病勢安定(SD)を達成した
・本試験の結果、JTX-2011+オプジーボ併用療法群では胃がん患者19人の内2人が部分奏効(PR)、2人が病勢安定(SD)、トリプルネガティブ乳がん患者15人の内1人が部分奏効(PR)を達成した
2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、複数治療歴のある胃がんまたはトリプルネガティブ乳がんを含む再発難治性固形がん患者に対するICOSアゴニスト抗体薬であるJTX-2011単剤療法、JTX-2011+抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)併用療法の安全性、有効性を検証した第I/II相試験(NCT02904226)の結果がMD Anderson Cancer Center・Timothy Anthony Yap氏らにより公表された。
本試験の第I相段階では、複数治療歴のある再発難治性固形がん患者(N=71人)に対して21日を1サイクルとして1日目にJTX-2011単剤療法を投与する群(N=40人,パートA)、21日を1サイクルとして1日目にJTX-2011+オプジーボ併用療法を投与する群(N=31人,パートB)に分けて主要評価項目として第II相推奨用量(RPIID)、用量制限毒性(DLT)などを検証している。
本試験の第II相段階では、複数治療歴のある再発難治性固形がん患者(N=93人)に対して21日を1サイクルとして1日目にJTX-2011単剤療法を投与する群(N=25人,パートC)、21日を1サイクルとして1日目にJTX-2011+オプジーボ併用療法を投与する群(N=68人,パートD)に分けて主要評価項目として全奏効率(ORR)などを検証している。
なお、第II相段階に登録された93人の患者の内、パートC群では胃がん患者7人、パートD群では胃がん患者24人、トリプルネガティブ乳がん患者16人が含まれている。
本試験の結果、第I相段階のパートA群においてJTX-2011 1.0mg/kg単剤療法時にALT/AST上昇、胸水などの用量制限毒性(DLT)が発現し、第II相推奨用量(RPIID)は3週を1サイクルとして1日目にJTX-2011 0.3mg/kg±オプジーボ240mgとして決定した。
全奏効率(ORR)は、JTX-2011単剤療法群(パートA、パートC)において胃がん患者7人の内1人が部分奏効(PR)、トリプルネガティブ乳がん患者5人の内2人が病勢安定(SD)を達成した。また、JTX-2011+オプジーボ併用療法群(パートB、パートD)において胃がん患者19人の内2人が部分奏効(PR)、2人が病勢安定(SD)、トリプルネガティブ乳がん患者15人の内1人が部分奏効(PR)を達成した。
なお評価可能であった17人の患者の内、部分奏効(PR)を達成した患者3人、病勢安定(SD)を達成した患者1人のCD4陽性T細胞におけるICOSの高発現が確認されている。
以上の第I/II相試験の結果よりTimothy Anthony Yap氏らは以下のように結論を述べている。”ICOSアゴニスト抗体薬であるJTX-2011は複数治療歴のある再発難治性固形がん患者に対して良好な抗腫瘍効果を発揮しました。また、CD4陽性T細胞におけるICOSの高発現はJTX-2011の効果を予測するサロゲートマーカーになり得る可能性も示唆されました。
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