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アロマターゼ阻害薬治療中の閉経後ホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対する術後化学療法としてのランマーク、無病生存期間(DFS)を統計学的有意に改善する米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)より

  • [公開日]2018.06.12
  • [最終更新日]2019.02.15
この記事の3つのポイント
・ABCSG-18試験とは、アロマターゼ阻害薬治療中の閉経後ホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対してランマークとプラセボ有効性を比較検証した第III相の試験である。
・本試験の副次評価項目である無病生存期間DFS)はプラセボ群よりもランマーク群で統計学的有意に改善を示した(ハザード比:0.823,95%信頼区間:0.69-0.98,P=0.026)
・本試験の副次評価項目であるフォローアップ期間5年時点、8年時点における無病生存率(DFS rate)はランマーク群でそれぞれ89.2%、80.6%を示した

2018年6月1日より5日までアメリカ合衆国・イリノイ州・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2018)にて、アロマターゼ阻害薬治療中の閉経後ホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対する術後化学療法としてのデノスマブ(商品名ランマーク;以下ランマーク)とプラセボの有効性を比較検証した第III相のABCSG-18試験(2005-005275-15)の結果がComprehensive Cancer Center・Michael Gnant氏らにより公表された。

ABCSG-18試験とは、アロマターゼ阻害薬治療中の閉経後ホルモン受容体陽性早期乳がん患者(N=3425人)に対して6ヶ月に1回ランマーク60mgを投与する群(N=1712人)、または6ヶ月に1回プラセボを投与する群(N=1713人)に1対1の割合で無作為に振り分け、副次評価項目として無病生存期間(DFS)を比較検証した多施設共同二重盲検下の第III相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値72ヶ月時点における結果、副次評価項目である無病生存期間(DFS)はプラセボ群よりもランマーク群で統計学的有意に改善を示した(ハザード比:0.823,95%信頼区間:0.69-0.98,P=0.026)。

また、フォローアップ期間5年時点、8年時点における無病生存率(DFS rate)はプラセボ群でそれぞれ 87.3%(95%信頼区間:85.7%-89.0%)、77.5% (95%信頼区間:74.8%-80.2%) に対して、ランマーク群でそれぞれ 89.2%(95%信頼区間:87.6%-90.7%)、80.6% (95%信頼区間:78.1%-83.1%) を示した。

なお、独立評価機関による評価を実施したにも関わらず、現在のところランマーク群において顎骨壊死を発症した患者は確認されておらず、治療関連有害事象(TRAE)としては非定型大腿骨骨折を発症した患者1人である。

以上のABCSG-18試験の結果よりMichael Gnant氏らは以下のように結論を述べている。”アロマターゼ阻害薬治療中の閉経後ホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対する術後化学療法としてのランマークはプラセボに比べて無病生存期間(DFS)を統計学的有意に改善しました。”

Adjuvant denosumab in early breast cancer: Disease-free survival analysis of 3,425 postmenopausal patients in the ABCSG-18 trial.(ASCO 2018, Abstract no.500)

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