3月19日、スイス・ロシュ社は、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)の成人患者に対する抗PD-L1抗体アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)とカルボプラチンおよびエトポシド(化学療法)併用の一次治療を、米国食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。これにより、テセントリクは進展型小細胞肺がんの一次治療で承認された、初めてのがん免疫療法となった。また、米国における進展型小細胞肺がんの一次治療としては、20年ぶりの承認だ。
◆小細胞肺がんの詳しい解説はこちら⇒
今回の承認は、第3相臨床試験「IMpower133試験」の成績に基づくもの。本試験において、テセントリクと化学療法の併用は、化学療法単独に比べ、ITT(Intent to treat)解析集団で全生存期間(OS)の延長を示した(OS中央値:12.3ヶ月vs10.3ヶ月、ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.54-0.91、p=0.0069)。
また、テセントリクと化学療法の併用は化学療法単独に比べ、患者の病勢進行または死亡リスクを低下させることも示した(無増悪生存期間(PFS)中央値:5.2ヶ月vs4.3ヶ月、ハザード比:0.77、95%信頼区間:0.62-0.96、p=0.017)。
なお、テセントリクと化学療法の併用における安全性は、これまでにテセントリクで認められている安全性プロファイルと同様だった。
日本国内におけるテセントリクの承認申請状況
テセントリクは日本国内において、2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果として販売を開始。同年12月には、化学療法未治療の扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する用法・用量の追加について承認を取得している。現在、乳がんおよび小細胞肺がんに対する適応拡大を申請している。
参照:
中外製薬株式会社プレスリリース
リサーチのお願い
この記事に利益相反はありません。