・治療歴を有する進行非小細胞肺がん患者が対象の4つの臨床試験を統合解析
・オプジーボの長期的なベネフィットなどがその後の全生存期間に及ぼす影響を評価
・全患者の4年生存率は14%で、PD-L1発現率が1%以上の患者は19%だった
4月2日、米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、PD-1免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の投与を受けた治療歴を有する進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象とした4つの臨床試験における生存期間データを統合解析した結果を、米国・アトランタで開催中の米国がん学会年次総会(AACR Annual Meeting 2019)で発表した。
今回の統合解析の対象は、CheckMate-017試験、CheckMate-057試験、CheckMate-063試験およびCheckMate-003試験の4試験。この解析は、最短4年間の追跡調査におけるオプジーボの長期的なベネフィットおよび奏効または病勢コントロールがその後の長期的な全生存期間(OS)に及ぼす影響を評価するために実施された。なお、CheckMate-017試験およびCheckMate-057試験の統合解析は、がん免疫療法を受けた治療歴を有する進行非小細胞肺がん患者を対象とした無作為化第3相試験における最も長期間の追跡調査である。
全生存期間は、4試験での統合解析においてはオプジーボの投与を受けた組織型にかかわらない非小細胞肺がん患者(n=664)を対象に、CheckMate-017試験とCheckMate-057試験の統合解析においては、オプジーボ群(n=427)またはドセタキセル群(n=427)に無作為に割り付けられた患者を対象に算出された。また、CheckMate-017試験およびCheckMate-057試験における他の解析として、6ヶ月時点での生存患者におけるその時点での奏効状態による全生存期間、および全奏効患者(完全奏効(CR)または部分奏効(PR))における奏効時点からの全生存期間の評価が含まれていた。
4試験の統合解析では、オプジーボの投与を受けた全患者の4年生存率は14%。PD-L1発現率が1%以上の患者の4年生存率は19%、PD-L1発現率が1%未満の患者では11%だった。CheckMate-017試験およびCheckMate-057試験の統合解析では、オプジーボ群の4年生存率が14%だったのに対し、ドセタキセル群は5%だった。また、生存率の探索的ランドマーク解析では、6ヶ月時点で完全奏効または部分奏効を示した患者において、4年生存率はオプジーボ群の58%に対し、ドセタキセル群では12%。また、6ヶ月時点で病勢が安定していた患者では、4年生存率はオプジーボ群で19%、ドセタキセル群で2%だった。
全4試験から得られたオプジーボの長期安全性データは、これまでに報告された有害事象プロファイルと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。治療に関連する有害事象(AE)による投与中止率はオプジーボ群で8.7%でした。最も多く認められた治療に関連するAEは、疲労(21.7%)だった。
デュークがん研究所 がん免疫療法センターのディレクター・Scott Antonia氏(M.D.、Ph.D)はプレスリリースで、次のように述べている。“治療歴を有する進行非小細胞肺がんの大規模な患者集団を対象とした今回の解析において、初めて、オプジーボの奏効と長期生存ベネフィットとの相関関係が示されました。この患者集団における平均5年生存率が、これまでの約5%であることを考えると、今回の長期間の生存結果は特に興味深いものです。”
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