・未治療の移植非適応多発性骨髄腫患者が対象の第3相試験
・エムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法の有効性・安全性を比較検証
・レブラミド+デキサメタゾン併用群と比較して、無増悪生存期間の統計学的な有意差は確認されず
2020年3月9日、米製薬会社ブリストル・マイヤーズ スクイブのプレスリリースにて未治療の移植非適応多発性骨髄腫患者に対する抗ヒトSLAMF7モノクローナル抗体であるエロツズマブ(商品名エムプリシティ;以下エムプリシティ)レナリドミド(商品名レブラミド;以下レブラミド)+デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のELOQUENT-1試験の結果が公表された。
ELOQUENT-1試験とは、未治療の移植非適応多発性骨髄腫患者に対してエムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法を投与する群、またはレブラミド+デキサメタゾン併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)を比較検証した第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)はエムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用群、レブラミド+デキサメタゾン併用群の両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。なお、エムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾン併用療法の安全性は既存の臨床試験で確認されている安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)はなかった。
以上のELOQUENT-1試験の主要評価項目の結果より、ブリストル・マイヤーズ スクイブ・Noah Berkowitz博士は以下のようにコメントを述べている。”未治療の移植非適応多発性骨髄腫患者に対するエムプリシティ+レブラミド+デキサメタゾンが、現在の標準治療であるレブラミド+デキサメタゾンに比べて主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を達成できなかった結果を非常に残念に思います。しかしながら、本治療は再発難治性多発性骨髄腫をはじめ本疾患の治療方法として重要な選択肢になり得るでしょう。”
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