・転移性非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験
・ファーストライン治療としてのオプジーボ+ヤーボイ+化学療法の有効性・安全性を比較検証
・3年を超える長期間に渡って持続的な抗腫瘍効果を示し、全生存期間、無増悪生存期間を改善
2020年5月29日~31日、バーチャルミーティングで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO 2020)にて転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA-4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate-227試験の3年長期フォローアップの結果がWinship Cancer Institute of Emory UniversityのSuresh S. Ramalingam氏らにより公表された。
CheckMate-227試験とは、PART1aではPD-L1陽性(≥1%)転移性非小細胞肺がん患者に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kgを投与する群、または2週を1サイクルとしてオプジーボ240mg単剤療法を投与する群、または3週を1サイクルとして化学療法を最大4サイクル投与する群に無作為に振り分けた。
PART1bではPD-L1陰性(<1%)転移性非小細胞肺がん患者に対して2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+6週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kgを投与する群、または3週を1サイクルとしてオプジーボ360mg+3週を1サイクルとして化学療法を最大4サイクル投与する群、または3週を1サイクルとして化学療法を最大4サイクル投与する群に無作為に振り分け。両パートにおける主要評価項目としては無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を設定し、比較検証した第3相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値43.1ヶ月時点における結果は下記の通りである。主要評価項目であるPD-L1陽性(≥1%)群における全生存期間(OS)は化学療法に比べてオプジーボ+ヤーボイ併用群で死亡(OS)のリスクを21%(HR:0.79,95%信頼区間:0.67-0.93)改善した。また、3年全生存率(OS)は化学療法群22%に対してオプジーボ+ヤーボイ併用群33%を示した。副次評価項目である3年無増悪生存率(PFS)は化学療法群4%に対してオプジーボ+ヤーボイ併用群18%。3年客観的奏効率(ORR)は化学療法群4%に対してオプジーボ+ヤーボイ併用群38%を示した。
一方、PD-L1陰性(<1%)群における全生存期間(OS)は化学療法に比べてオプジーボ+ヤーボイで死亡(OS)のリスクを36%(HR:0.64,95%信頼区間:0.51-0.81)改善した。また、副次評価項目である3年無増悪生存率(PFS)は化学療法群2%に対してオプジーボ+ヤーボイ群13%。3年客観的奏効率(ORR)は化学療法群0%に対してオプジーボ+ヤーボイ群34%を示した。
以上のCheckMate-227試験の結果よりSuresh S. Ramalingam氏らは以下のように結論を述べている。”転移性非小細胞肺がん患者に対するファーストライン治療としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイは、3年を超える長期間に渡り、持続的な抗腫瘍効果を示し、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)を改善しました。”
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