「個人情報保護方針」及び「個人情報の取扱いについて」改訂のお知らせ

3レジメン以上の治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫に対するサークリサ+デキサメタゾン併用療法、全奏効率43.6%を示すbloodより

  • [公開日]2020.10.30
  • [最終更新日]2020.10.29
この記事の3つのポイント
・3レジメン以上の治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫患者が対象の第1/2相試験
・第2相試験において、サークリサ+デキサメタゾン併用療法有効性安全性を比較検証
・全奏効率はデキサメタゾン併用群で43.6%であり、デキサメタゾン上乗せによる全奏効率の上昇を示した

2020年10月20日、医学誌『blood』にて3レジメン以上の治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫患者に対する抗CD38モノクローナル抗体薬であるサークリサ(一般名:イサツキシマブ、以下サークリサ)±デキサメタゾン療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT01084252)の結果がNational and Kapodistrian University of AthensのMeletios A Dimopoulos氏らにより公表された。

本試験は、プロテアソーム阻害薬(PI)、免疫調整薬(IMiD)を含む3レジメン以上の治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫患者(N=164人)に対して28日を1サイクルとして最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)サークリサ20mg/kg単剤療法を投与する群、または28日を1サイクルとして最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)サークリサ20mg/kg+1日1回デキサメタゾン40mg(75歳以上の患者には20mg)併用療法を投与する群に振り分け、主要評価項目として全奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、全生存期間OS)、有害事象(AE)発症率などを検証した非盲検下の第2相試験である。

本試験に参加した患者の前レジメン中央値は4レジメンであった。主要評価項目である全奏効率(ORR)はサークリサ単剤群23.9%に対してサークリサ+デキサメタゾン併用群43.6%、サークリサ単剤群に比べてサークリサ+デキサメタゾン併用群で全奏効率(ORR)は高率であった(ORR:0.405、95%信頼区間:0.192-0.859、P=0.008)。

副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はサークリサ単剤群4.9ヵ月に対してサークリサ+デキサメタゾン併用群10.2ヵ月を示した。全生存期間(OS)中央値はサークリサ単剤群18.9ヵ月に対してサークリサ+デキサメタゾン併用群17.3ヵ月を示した。

一方の安全性として、最も多くの患者で確認された有害事象(AE)はインフュージョンリアクション、血液関連毒性であった。なお、グレード3以上の感染症発症率はサークリサ単剤群22.0%に対してサークリサ+デキサメタゾン併用群21.8%をであった。

以上の第2相試験の結果よりMeletios A Dimopoulos氏らは「3レジメン以上の治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫患者に対する抗CD38モノクローナル抗体薬サークリサ+デキサメタゾン併用療法は、サークリサ単剤療法に比べて全奏効率(ORR)をはじめ抗腫瘍効果を改善し、デキサメタゾン上乗せによる有害事象(AE)増加などの悪影響は確認されませんでした」と結論を述べている。

Isatuximab as monotherapy and combined with dexamethasone in patients with relapsed/refractory multiple myeloma(Blood. 2020 Oct 20;blood.2020008209. doi: 10.1182/blood.2020008209.)

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン