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未治療の古典的ホジキンリンパ腫高齢患者に対するアドセトリス単剤または併用療法、客観的奏効率92%以上を示す米国血液学会議(ASH 2020)

  • [公開日]2020.12.28
  • [最終更新日]2020.12.28
この記事の3つのポイント
・未治療の古典的ホジキンリンパ腫高齢患者が対象の第2相試験
アドセトリス単剤療法、併用療法有効性安全性を検証
・全コホートで客観的奏効率92%以上を示した

2020年12月5日~8日、オンラインミーティングで開催された第62回米国血液学会議(ASH 2020)にて未治療の古典的ホジキンリンパ腫高齢患者(cHL)に対する抗CD30モノクローナル抗体アドセトリス(一般名;ブレンツキシマブ ベドチン以下アドセトリス)単剤療法、併用療法の有効性、安全性を検証した第2相のSGN35-015試験(NCT01716806)の結果がWillamette Valley Cancer Institute and Research CenterのChristopher A. Yasenchak氏らにより公表された。

SGN35-015試験は、60歳以上の未治療の古典的ホジキンリンパ腫高齢患者に対して3週を1サイクルとして以下の治療を行う4つのコホートに振り分け、実施した。コホートAはアドセトリス1.8mg/kg単剤療法を投与する群(N=26人)、コホートBはアドセトリス1.8mg/kg+ダカルバジン375mg/m2併用療法を投与する群(N=19人)、コホートCは1.8mg/kg+ベンダムスチ70mg/m2併用療法を投与する群(コーホートC:N=20人)、コホートDはアドセトリス1.8mg/kg+ニボルマブ3mg/kg併用療法を投与する群(N=20人)。主要評価項目として客観的奏効率(ORR)を、副次評価項目として安全性などを検証した第2相試験である。

本試験が開始された背景として、高齢の古典的ホジキンリンパ腫は若年者に比べて予後が不良である。特に、臓器障害、有害事象(AE)が原因でファーストライン治療としての化学療法の5年無増悪生存率PFS)は若年者75~80%に対して高齢者30~45%である。以上の背景より、抗CD30モノクローナル抗体アドセトリス単剤療法、併用療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は下記の通りである。コーホートAで92%(95%信頼区間:74%-99%)、コーホートBで100%(95%信頼区間:82.4%-100%)、コーホートCで100%(95%信頼区間:80.5%-100%)、コーホートDで95%(95%信頼区間:74%-99.9%%)を示した。

副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は下記の通りである。コーホートAで10.5ヵ月(95%信頼区間:5.6-77.5ヵ月)、コーホートBで46.8ヵ月(95%信頼区間:11.0-68.7ヵ月)、コーホートCで40.3ヵ月(95%信頼区間:4.8ヵ月-未到達)、コーホートDで未到達(95%信頼区間:9.4ヵ月-未到達)を示した。

副次評価項目である全生存期間OS)中央値は下記の通りである。コーホートAで77.5ヵ月(95%信頼区間:40.1ヵ月-未到達)、コーホートBで64.0ヵ月(95%信頼区間:53.4ヵ月-未到達)、コーホートCで46.9ヵ月(95%信頼区間:6.8ヵ月-未到達)、コーホートDで未到達(95%信頼区間:未到達)を示した。

一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率はコーホートAで50%、コーホートBで37%、コーホートCで70%、コーホートDで60%、最も多くの患者で確認された末梢神経障害発症率はコーホートAで35%、コーホートBで26%、コーホートCで20%、コーホートDで35%を示した。なお、治療関連有害事象(TRAE)による死亡は1人の患者も確認されなかった。

治療関連有害事象(TRAE)を原因とする治療中止率はコーホートAで42%、コーホートBで42%、コーホートCで40%、コーホートDで30%を示し、主な治療関連有害事象(TRAE)は末梢神経障害であった。

以上のSGN35-015試験の結果よりChristopher A. Yasenchak氏らは「未治療の古典的ホジキンリンパ腫高齢患者に対する抗CD30モノクローナル抗体アドセトリス単剤療法、併用療法は非常に高い抗腫瘍効果を示し、無増悪生存期間(PFS)も臨床的意義のある改善を示しました。また、本試験ではニボルマブ、ダカルバジンとの併用が合理的だと考えられました」と結論を述べている。

Frontline Brentuximab Vedotin As Monotherapy or in Combination for Older Hodgkin Lymphoma Patients(62nd ASH Annual Meeting & Exposition,Abstract 471)

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